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Karte6:薬局チェーンの売上向上策④


コラム 経営 作成日:2008年4月7日

コンサルタントの企業カルテ 小売売上向上策

Karte6:薬局チェーンの売上向上策④

記事番号:T00006583

 
 台湾で25店舗の薬局チェーンR社を経営する林夫妻の依頼で、「売上向上となる新コンセプトづくり」をテーマにした店舗診断を行っていた。ストアーコンセプトは「健康で幸せな家族生活をお手伝い」に決定し、次はストアーコンセプトを店舗へどのように反映させるかというステップに入っていた。
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●経営者の英断

 このステップでは、コンセプトをストアーデザインに落し込む作業が必要であったので、協力関係にある日本人の店舗デザイナーがプロジェクトメンバーに加入することになった。イメージカラーは、隣のコンビニと一体感を出しながら健康をイメージできるように、隣のコンビニと同じグリーンを選んだ。出入口も隣のコンビニから出てきた顧客が入りやすいように、コンビニの出入口の横へ移動した。

 カテゴリーの選択と売り場面積は右図の分析を基にしながら、隣が強いカテゴリーからは撤退し、強いカテゴリーをさらに強化する方法をとった。

 ここで注目すべき点は、理論的には一般食品から撤退すべきであるが、そこそこの売り上げを上げている同カテゴリーから潔く撤退を決断したことである。 

 我々は根拠に基づき提案を行っているが、最終決定を行うのは経営者である。売上構成比が縮小してきている薬品の面積を増加し、構成比が増えてきている一般食品から撤退するという経営判断は、戦略的意図は把握していても簡単に行えることではない。

●売場づくり

 林夫妻の英断により、コンセプトを明確に売り場へ反映し、戦略的なストアーデザインが行えるようになった。ストアーコンセプトは、商品構成だけではなく、MD(マーチャンダイジング)や店舗設計、制服等にも活用していった。

 例えばファザードや店内に「健康で幸せな家族生活をお手伝い」するために植物を植える、薬剤師とカウンセリングしている間に子供が休めるようような木のベンチを設けるなどである。

 また、買いやすさ、分かりやすさを強化するために陳列は商品別陳列から用途別陳列にし、顧客の潜在ニーズを掘り起こす方法をとった。例えば「最近目が疲れていませんか?」というカテゴリーを設け、目薬を陳列するという具合である。

 店舗設計と陳列デザインがまとまり、R薬局の店舗診断は終了した。

 現在は本店をモデルとし、本店のように本店隣と同じコンビニがある物件に狙いを定め出店している。

 先日は林さんが久しぶりに弊社を訪れ、「おかげさまで、今度プライベートブランドを作れるほどになりました」と、プライベートブランドの初ロットをプレゼントとして頂いた…

Karte6 おわり


ワイズコンサルティング 吉本康志

※本コラムは事実を基にしていますが、複数の事例を交えてストーリーを展開していますので、個人及び団体が特定できないようにしています。

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