記事番号:T00006204
長年お付き合いしている林さんは、台湾で25店舗の薬局チェーンR薬局を夫婦で経営していた。店舗改装に伴い、新しいコンセプトの店をつくりたいとのことだったので、「店舗診断」を行い、本店の新コンセプトを見つけることになった。
●店舗診断
林さん夫妻の経営するR薬局は、もともと現在の本店の一部を借り、夫婦2人で起業したチェーン店だった。ここまで成長した要因は以下の通りだ。
1.立地戦略
病院の前や今後発展しそうな場所に出店し、商圏自体が発展した
2.企業努力
店舗サービススタッフの増員、2カ月に1度の定期的販促などを行い、固定客づくりに励んでおり、8割は固定客が占めていた
3.競合店の怠慢経営
競合店は、基礎化粧品や健康食品などの新しい分野には消極的
R薬局本店の立地は、前に病院があるため、100メートル以内に7件の競合店が軒を連ねていた。また、隣にはコンビニが、50メートル先にはスーパーがある激戦区だった。
R薬局本店の売り場面積は25坪で(他店も同じ)、カテゴリーとしては、薬品、保健食品、医療器材、生活雑貨、化粧品、ベビー用品を持っていた。
各カテゴリーにおける売り上げ構成比と棚数は以下の通り。
また林夫妻が考える今後の発展の方向性は、
1.薬品・保健、保養品、ベビー用品の3本柱。
2.生活雑貨、医療器材の可能性の模索も検討。
3.ただし、医療器材は付近に競合店があり、利益率を維持したまま売り上げを増やしたい。
4.今までの成功体験に倣い、何か新しいカテゴリーを追加したい。
とのことだった。
商圏人口が増えずに、競合店が増えている状態で、どうやって売り上げを伸ばす仕組みをつくるかが、最大のテーマだった。
③につづく
ワイズコンサルティング 吉本康志
※本コラムは事実を基にしていますが、複数の事例を交えてストーリーを展開していますので、個人及び団体が特定できないようにしています。