ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム 会社概要 採用情報 お問い合わせ

コンサルティング リサーチ セミナー 在台日本人にPR 経済ニュース 労務顧問会員

Karte3:小売業チェーン売上向上作戦③


コラム 経営 マーケティング 作成日:2007年8月10日

コンサルタントの企業カルテ 小売売上向上策

Karte3:小売業チェーン売上向上作戦③

記事番号:T00002043


●前回までのあらすじ

 S財閥で小売業チェーンを展開するA社は迷走を続けていた。4代目の総経理となった張氏は「新業態開発」を進めようとしたが、董事会や幹部の協力を得られず、打開策として費用をかけずに小さな成功事例を作るため、幹部研修を行なうことになった…

●董事会と幹部の協力を得るには

 研修に多くを期待する経営者は多いが、既存の研修を行うだけでは成果は期待できない。研修で成果を上げるには、「成果を上げるための仕組みを研修の中にビルトインする」必要がある。A社に求められる成果は「全社業績の向上」なので、以下の仕組みで研修を行うことにした。

 まず、講義で学んだ理論・技術を、ケーススタディーで実践する。ケーススタディーの作成は、実際の数字を用いて実戦的な内容にした。次にケーススタディーで検討した方法を、自分の店舗に持ち帰り実践する。多くがが失敗するはずなので、上司および本社のサポートを得て再挑戦し、実施内容と成功要因・失敗要因をレポートにまとめ、次回の研修で発表した。
T000020431



 いよいよ実際の研修が始まり、第一単元では店長・バイヤーなど参加者のレベル把握に重点を置いた。そこで明確になったことは、

1. 各人のスキルと仕事に対する意識は業界トップクラスであり、過去に多くの研修を受講していたが、即現場で役に立つ研修を強く望んでいた。

2. 業界トップクラスのPOSが導入されているが、POS DTAを売上向上に結びつけるためのツール(分析手法)が無い。

3. 本社幹部と各店長はそれぞれ一生懸命努力しているが、立場の違いから誤解が発生し、両者の関係は非常に悪い。

ということであった。

 第二単元の「商圏分析と商圏内シェア」では、以下の内容で実施した。

●基本講義1:商圏シェアと競合に与える影響
●基本講義2:競合店設定と競合店調査手法
●ケーススタディー:「A店の競合対策」
 1. 商圏内でのA店大分類の商圏シェアを算出
 2. 大分類商圏シェアから、競合店を決定
 3. 競合店に勝つためのカテゴリーを決定
 4. 売り場面積・アイテム数・フェイス数から勝つための理論的方法を抽出
 5. 競合に勝てる戦略・戦術の決定
 6. 各グループ別に発表した後、最善の方法を全体で検討
●基本講義3:競合に勝つための各種戦術

という具合に行った。

 問題は現場で実践し、成果を上げられるかどうかである。第二単元の宿題は、

 1. 自店舗中分類の商圏内シェア調査
 2. 競合店調査(重点競合店二店舗)
 3. 競合に勝つための売場改善

 とし、各店長及び本社スタッフ・上司が一丸となって、通常業務をこなしながら一ヵ月間宿題に取り組むことになった。

(その4)につづく


ワイズコンサルティング 吉本康志

※本コラムは事実に基づいていますが、複数の事例を交えてストーリーを展開していますので、個人及び団体が特定できないようになっています。

コンサルタントの企業カルテ小売売上向上策

情報セキュリティ資格を取得しています

台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。