記事番号:T00107630
社員20人。役職17階層。長年この状態で展開をしてきたT社。伏目がちに『ウチの会社は昔からこの通りだから』と答える管理部S経理より、ポツリポツリとその経緯が漏れ聞こえてきました。
皆様、こんにちは。ワイズコンサルティング佐藤でございます。今回は前回の続きとなります。
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さて、どうする総経理?
「その場しのぎ」が重なり
「昔は社員も少なく、こんな状態ではなかったのです。ある頃『長く勤めてきたんだから、そろそろ課長にしてください』とか『前の総経理が私を主任に昇格させると約束してくれたのですが』こんな要求が増えてきたのです」都度、社内幹部で話し合うと意見が割れるとの事。以前の総経理が落とし所?として、新たな役職として『副〇〇』『〇〇代理』を作り続け、今日に至った様です。「その場しのぎ」が積み重なった状況です。私は少し意地悪な質問をします。
「課長に部下はいないんですよね?だとしたら、課長と副課長・課長代理の責務の違いって何ですか?」
私の質問にS経理はH総経理の顔色を伺いながらポツリと「たぶん同じ、、、です」「いえ手当金額が少し違います」「あと勤続年数が・・・」S経理が言い終わる間際に追加の質問を重ねます。「それと、副課長や課長代理の人はどうしたら課長になれるの?」崩壊寸前のS経理はもう限界です。「ゴメンナサイ。わかりません」「頑張っているからかな」「今までは総経理から指示されて・・・」言い終わる前にH総経理から救い?の言葉「Sさん、ありがとう。もう退席していいよ」
ターニングポイント
「やはり少し多いですかね」と語っていたH総経理。「恥ずかしながら、私は人事に関してはド素人。明らかに役職過剰ですね」。小1時間で話のトーンが変わってきました。階層数は一概に社員人数だけでは決められません。筆者がお手伝いをする際には会社が求める業務や責任を重要性や範囲を基準にして区分。その区分ごとに階層を設定する提案をさせていただいています。また、1人の上司が目を配れる人数(部下)は最大7人とも言われており、戦国時代の伍長からすると5人が適正なのかもしれません。
「佐藤さん、少し知恵を貸してよ」H総経理は長年T社を惑わせてきた過剰役職数にメスを入れる決意です。「総経 理、人事制度は役職・評価・賃金の各制度が絡み合っています。役職数を見直せば解決という代物ではありませんよ」私の問いかけに「この際だから私が駐在している期間にあるべき姿にします」「覚悟を決めました」力強いお言葉です。
さぁ、どうする?総経理。
そして、どうする?佐藤
次回予告:「どうする総経理??役職“17階層は多い”か?②」
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本文に記載の事例は筆者の実体験・実話を基にしたフィクションであり、実在の人物や団体などとは関係ありません。
佐藤豪紀
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