記事番号:T00108100
ゴルフ好きのH総経理。社員評価の時期はゴルフが出来ず?に不満がたまっている様子。評価の仕組みがおかしくなっていることには気付いている様子でその口からは不満が漏れ続けます。
皆様、こんにちは。ワイズコンサルティング佐藤でございます。今回は前回の続きとなります。
第四日目 評価はみんな”S”評価?①
https://www.ys-consulting.com.tw/column/107974.html
さて、どうする総経理?
「頑張ってます」は何評価?
「能力評価はもっと致命的ですよ。自己評価も上司評価もSしか付けてこない」と、不満は止まる気配がありません。「能力評価は本社通りに評価項目を設定しています。例えば理解力、判断力やコミュニケーション力。マネージャーには指導力などが項目です」C社の能力評価の評価ランクは最高評価がS。以下ABCと続く4段階評価になっています。評価段階が4段階であること自体は問題ないのですが、評価段階の定義にやや難ありでした。
定義をお伺いすると「結構シンプルなのですよ。Sは良く出来ている、Aは出来ている、Bはあと一息、Cはできていない。と、大体こんな感じですね」。
後々詳しく調べさせていただきましたが、この評価定義についてはおおむね総経理の言葉通りでした。少し追加質問をさせていただきます。
「例えば判断力という項目で上司はS評価を付けて来ますよね?その根拠とか具体的な行動をチェックする仕組みはどうなっているのですか?」
「コメント欄があります。でもほとんど書かれていないですね。書いてあっても『頑張っています』『努力しています』『成長しています』と具体性にかけるコメントだけですね」もちろん、頑張る・努力する・成長する事は不可欠な要素です。でも、それだけなのでしょうか?
総経理だけで評価をしている業績評価。横並びのS評価を一人ひとり見直す能力評価。当然ながら総経理の業務は多岐にわたっており、日中業務を評価に充てることは出来ません。これでは休日業務も場合によっては徹夜も辞さない状況です。「現在の評価制度を一度チェックさせてもらえませんか?」「願ってもない、是非とも。次回のゴルフコンペには参加したいですからね」
経理に仕事を戻しましょう
まずは業績評価システムの内容確認をした上で手直しをします。H総経理より「不具合があれば遠慮なく直して下さい」とは言われたもののあまり複雑にしてしまうと、同じ轍(てつ)を踏みかねません。既存システムをベースに緩やかなルール決めをしました。「まずは、総経理に丸投げしてきた経理に仕事を戻しましょう。経理の役割は部下との対話をメインにします」「対話?」「はい。でもただ話をすればよいわけではありません。下記ルールを守らせましょう」
1.目標は本人が設定:目標は会社方針・部門目標をブレイクダウンし本人が設定する。上司(経理)は部下設定の目標に対しアドバイスとアジャストを対話で行います。
2.難易度設定:設定目標には難易度を設定する。設定した目標の難易度レベルを上司部下間の対話で設定します。
3.プロセス設定:数値目標だけではなく、達成に向けてのプロセスを上司部下対話で設定します。ここで設定するプロセスは具体的アクションと期限とします。
「そして設定された目標がSMARTの法則に則った目標になっているかのチェックです」「ん?SMART?なんでしょう?」
さぁ、どうする?総経理。
次回予告:「評価はみんな”S”評価?最終回」
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佐藤豪紀
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