記事番号:T00107713
社員20人。役職17階層。この状態で展開をしてきたT社。管理部のS経理 (台湾人)よりヒアリングを受けたH総 経理。本腰を上げて改定に取り組むことになりました。手始めに組織を組み直します。
社員の意識調査を実施
改めてH総経理と筆者で組織図を見直します。「現状、レポートラインはどういう状態ですか?」「各部門のマネジメントはどの方たちが担っていますか?」「部門間のコミュニケーションはいかがですか?」私も深く知りたい欲望が抑えきれずに矢継早に質問をしてしまいました。H総経理も自身のお考えを明確にお話くださります。長時間に渡る議論と沈黙。そして「匿名で良いので一度全社員にアンケートを取り、幅広く一人ひとりの考えを聞いてみよう」と相互認識を持ち、社員の意識調査を行いました。その結果はここでは書ききれないほど問題点が浮かびあがりました。一言でまとめると「箱だけ有って中身が入っていない」言い換えると「ルールがない」状態でした。H総経理は「強味と弱味、出来ている事、出来ていない事がよくわかった。アンケートを取って良かった」と、以前に増して改定意識が高まったようです。
組織と役職制度に着手
取り組む事が山積ではありますが「まずは適正な組織と役職に対する決め事づくり」から着手します。
組織は文鎮型から機能型組織を採用。部門の役割と部門間をつなげるルールを設定。部門内には更に業務内容別に少ユニットを設定。部門やユニットをまとめる役職(マネジャー)を配置し、マネジメント責務を明文化しました。これにより役職名称を集約「ご褒美的な昇格」を廃すると同時に「マネジメントは行わないが、その技能・ノウハウは秀でている」社員のポストを用意する「複線型役職配置」を導入することで、制度改定に伴う「降格印象」を防ぎます。また、かつてより使用していた役職名称の使用を極力避け、「今までは・・・だった」という過去の悪習慣を払拭するよう努めます。改定ポイントの一つに「人ありき」「今までありき」ではなく「あるべき組織・あるべき責務」を軸にした検討を重ねます。結果、17階層を9階層とし、新たに設定した役職毎の評価内容や賃金規定を設定し書面上での新人事制度は完成しました。そして導入に向け、全社員に向けた説明会や評価者向けの研修を積み重ね、新制度は軌道に乗り始めています。
H総経理のご決断あればこその新制度導入でございました。
次回新シリーズ:「どうする総経理??評価はみんな”S評価”!」
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佐藤豪紀
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