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第四日目 評価はみんな”S”評価?①/台湾


コラム 人事労務 作成日:2023年3月17日

どうする?総経理 台湾人事制度 マル秘裏話

第四日目 評価はみんな”S”評価?①/台湾

記事番号:T00107974

 話は3年前。当社主催のゴルフコンペの幹事もしている筆者ですが、駐在3年目ゴルフ好きのC社H総経理をコンペに誘います。「今月のコンペも参加で良かったですか?」

 H総経理は弊社コンペの優勝もあり、ほぼ毎月ご参加いただいております。「いやぁ佐藤さん、今月は立て込んでいるので参加できないなぁ」

 読者の皆様、こんにちは。ワイズコンサルティング佐藤でございます。日頃「ワイズ杯ゴルフレポート」を掲載しております関係で、「佐藤さんはゴルフ部門の人」と誤解を招いておりますので、本業に即したテーマ(在台日系企業の人事制度改定のお手伝い)でもコラムを連載いたしております。

 今回のテーマは評価はみんな”S”評価?とし、評価制度での「どうする?」を取り上げます。気楽にお読みいただければ幸いです。ゴルフについては右イラストより確認ください。

ゴルフレポート
https://www.ys-consulting.com.tw/column/l/63

評価のためにゴルフ欠席?

 「ご出張者がいらっしゃるのですか?」「いや、お恥ずかしい話なんだけど、その土日に昨年の社員評価を付けなければいけないんだ。前任総経理からも『この時期は徹夜覚悟』と聞いていて・・・」

 立て込んでおられるとのことで無理強いはいたしませんでしたが、総経理が週末終日を社員評価に充てる事に少々違和感を感じざるを得ません。掘り下げて聞いてみました。社員数は30名ほどのC社様、電子機器関連部材の専門商社です。

 C社が実施している評価手法は「業績評価」と「能力評価」の2種類。ごくごく簡単に言うと「業績評価」とは指定期間内の目標達成率など、客観的な数値で成果を評価します。一方「能力評価」は与えられた職務を遂行するうえで、必要な知識や技能の評価期間内の成長・修得度合いを評価します。皆様の会社でも呼び方は違っていても同様の評価を行っていると存じます。(この他にも「情意評価」「技能評価」など評価手法はございますが、ここでは触れずに話を進めます)C社の評価手法には問題がないはずです。H総経理に「ゴルフに行けない(徹夜覚悟?)って、どうしてなのですか?」「・・・皆、S評価なのですよ。経理が私に提出してくる評価が、、、」

ご不満でしたら、総経理が

 詳しい内容は控えますが、C社の「業績評価」は日本から会社全体評価を受けており個人のパフォーマンスは反映されにくいとの事です。腑に落ちない私は「個人レベルの成果が結果に反映されずにやる気を損ねてしまわないか?」「上司が部下に対し「業績面からの指導」が行き届いてないのでは?」と矢継ぎ早に質問をしてしまいました。

 「実は業績評価は自己評価や上司評価をさせず、今は最終評価者である私が全て決めているのです。会社全体評価を優先させざるを得ない事情もあるのですが・・・」「えぇ?どうして??」身を乗り出してしまった私にH総経理は続けて「実は私の駐在初年度に各人に目標設定・経理に評価をさせたのですが、今は止めてしまっています。理由は多々あるのですが、各人の立てた目標がとにかく甘い、甘い。普通にしていて達成できるレベルでしか目標を設定してこないし、何度突き返しても言い訳が先行し修正をしてくれない。経理クラスの付ける評価も甘い、甘い。皆、S評価。『ご不満でしたら総経理が目標設定と評価をしてください』と丸投げ・無責任発言を言われ、情けなくも諦めてしまっています」全てをさらけ出してくれたH総経理「能力評価も同じく致命的ですよ。自己評価も上司評価もSしか付けてこない」と、もう止まる気配がありません。

 さぁ、どうする?総経理。

 

次回予告:「評価はみんな”S”評価?②」

 人事制度の各種ご相談は「ワイズコンサルティング人事制度よろず相談所(https://www.ys-consulting.com.tw/contact/sr.html)」まで。お気軽にご相談ください。

 本文に記載の事例は筆者の実体験・実話を基にしたフィクションであり、実在の人物や団体などとは関係ありません。

佐藤豪紀

佐藤豪紀

ワイズコンサルティング社執行役員兼ワイズシステム社総経理

 前職では日本企業の副総経理として台湾駐在を経て2012年ワイズコンサルティングに入社。人事労務コンサルタントとして人事制度構築を中心に活躍中。駐在経営者として実践に基づいたコンサルティングに定評がある。特に人事面において高いコミュニケーション力を駆使し、クライアントの課題解決に最適なソリューションを提案している。(言語)日本語◎

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