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第18回 〜日韓チア×異業種コラボ×音楽ライブIP〜台湾野球エンタメ経済


コラム 経営 作成日:2026年8月12日

ワイズ独自調査 3分でわかる!台湾市場トレンド

第18回 〜日韓チア×異業種コラボ×音楽ライブIP〜台湾野球エンタメ経済

記事番号:T00130148

 皆様、こんにちは。経営者の「思考時間」をサポートするワイズ独自調査コラムです。現在、台湾のスポーツ市場で急成長を遂げているのがプロ野球(CPBL)です。かつて1試合平均5,000人台だった入場者数は、コロナ禍以降に各球団が画期的なマーケティング施策を導入した結果、平均1万人を突破する歴史的飛躍を遂げました。この熱狂は単なる「野球ブームの再来」にとどまりません。いま台湾のプロ野球球団は、野球の枠組みを超えた「総合エンターテインメント・プラットフォーム」へと劇的な進化を遂げています。

 

世界的IP・異業種ライフスタイルを巻き込む「コラボマーケティング」

 各球団がしのぎを削る週末の「テーマデー(主題日)」では、野球ファン以外の新規層を球場へ引き込む仕掛けが徹底されています。

1.アニメIPの集客力

 『鬼滅の刃』、『クレヨンしんちゃん』等とのコラボに加え、2026年には『進撃の巨人』、『HUNTER×HUNTER』との大型イベントが予定されるなど、スケールは年々拡大しています。

2.日本球団とのクロスオーバー

 阪神タイガースの「甲子園デー」や読売ジャイアンツとの公式コラボに加え、2026年2月には福岡ソフトバンクホークスや北海道日本ハムファイターズとの交流戦も開催されるなど、国境を越えた連携が加速しています。

3.ライフスタイルブランドへの進化

 中信ブラザーズ(中信兄弟)は台湾プロ野球初の自主ライフスタイルアパレルブランド「BROTHERS SPACE」を立ち上げ、アパレル業界にも本格参入しています。

4.国民的論争を巻き起こす食品コラボ

 ハウス食品(バーモントカレー)とコラボした「カレーは混ぜる派?混ぜない派?」といった、ユニークな体験型・参加型テーマデーも大成功を収めており、単なるロゴ露出ではないB2Cマーケティングの実験場となっています。

/date/2026/08/12/20co_2.jpg図1 異業種コラボ(中信兄弟×ハウス食品)(写真提供)台湾好侍食品(ハウス食品)

 こうした限定グッズやアパレルの販売は、1球団当たり年間1億~5億台湾元(約5億~25億円)に上り、チケット収入に匹敵する重要な収益源となっています。

 

スポーツ観戦から「球場のフェス化」へ

 「野球観戦」を「大型音楽フェス」へと昇華させた点も、台湾モデルの特徴です。試合後に開催される本格的な音楽ライブは、もはや試合の付帯イベントではなく、球場体験を構成する主要コンテンツとなっています。

1.日韓人気アーティストの来台

 台湾のアーティストに加え、韓流トップスターのPSY(カンナムスタイル)、KARA(ミスター)、そして日本の上杉昇、Do As Infinity、AKB48などが次々と球場ライブに登場し、超満員の観客を魅了しています。

2.独自イベントブランド

 各球団は、音楽フェスに固有の名称とコンセプトを設け、独自のイベントブランドとして育成しています。中信ブラザーズの「CHANNEL B 棒球音楽祭」、楽天モンキーズの「SINGDOME」などがその代表例です。試合の勝敗に左右されにくい集客力を持ち、イベント自体が新たな収益源となっています。

アジアを巻き込む「多国籍チアリーダー経済」

 台湾野球の象徴とも言えるチアリーダー(啦啦隊)文化は、いまや国境を越えた「国際的なタレントエコシステム」へと変貌しています。韓国のトップチアや日本人の有名メンバーが台湾球界へ電撃移籍し、大きな話題を集めています。SNSで数十万~数百万人のフォロワーを持つ彼女たちは、企業スポンサーの有力な広告塔であり、海外からのインバウンド客を呼ぶプロモーション媒体として機能しています。

/date/2026/08/12/22co_2.jpg図2 台湾プロ野球エンタメ経済の構造

 

経営へのヒント:巨大な「体験型ショールーム」の活用

 現在の台湾のスタジアムは、日韓のポップカルチャー、音楽、ファッション、食が交差する「アジア最大級の体験型ショールーム」へと進化しています。

 日系企業が台湾市場で自社ブランドの認知度を高め、若年層やZ世代の顧客を獲得しようとする際、この絶大な集客力と熱量を持つ「台湾プロ野球のエンタメプラットフォーム」とパートナーシップを組み、テーマデーやコラボレーションを通じたテストマーケティングを仕掛けること。それは、自社ブランドを浸透させる新たなアプローチの一つとして、十分に活用する価値があるのではないでしょうか。

 

ワイズリサーチ トレンド観測室
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