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第24回 台湾製造業の巨大マネーの行方? 〜業界別投資トレンドから探る商機〜


コラム 経営 マーケティング 台湾事情 その他 作成日:2026年9月23日

ワイズ独自調査 3分でわかる!台湾市場トレンド

第24回 台湾製造業の巨大マネーの行方? 〜業界別投資トレンドから探る商機〜

記事番号:T00130959

 皆様の時間を「ビジネスのヒント」へ。本コラムはワイズ独自調査から台湾市場のリアルを読み解きます。

 2025年の台湾製造業全体の固定資産投資額は、前年比27%増の2兆5,180億台湾元に達し、過去最大規模の活況が見込まれています。

 資金の使い道を業界別に見ると、台湾メーカーがどこへ優先的に資金を充てているのか、その特徴が浮かび上がります。

 第24回では、最新データから業界ごとの投資傾向を読み解き、在台日系企業における次なる商機を探ります。

 

製造装置へ投資が集中する電子部品・半導体デバイス業界

 投資額の牽引役は、なんと言っても「電子部品・半導体デバイス」業界です。2025年の投資額は1兆8,167億台湾元に上りました。資金の内訳を見ると、全体の80%にあたる1兆4,574億台湾元が「機械装置・その他設備」に充てられています。「建築物」への投資は20%(3,590億台湾元)にとどまり、投資の大部分が機械設備へ集中している傾向が鮮明です。

 この極端な機械偏重の背景にあるのは、AI向け半導体需要の拡大と製造プロセス微細化の進展です。先端半導体を製造するためには、建屋(物理的なスペース)を単に拡張する以上に、最先端の露光装置や先進パッケージング設備といった高額な専用装置の導入・更新が不可欠となります。

 技術的な要求水準が高まるほど装置単価も跳ね上がるため、結果として建築物よりも機械設備へ資本が大きく偏る構造となっているのです。

「建築物」への投資比率が高いPC・電子機器業界

 異なる投資構造を示すのが「PC・電子機器」業界です。同じく投資額上位5業界に入る化学品関連業界や石油・石炭製品業界における建築物への投資割合が10%程度にとどまるのに対し、同業界では投資総額757億台湾元のうち37%(282億台湾元)を「建築物」が占めています。

 この高い建屋投資割合の背景には、米中貿易摩擦に伴う生産拠点の「台湾回帰」に加え、付加価値の高いAIサーバー等を国内で製造するための新工場建設や既存拠点の拡張が進んでいる状況があると窺えます。

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圧倒的な拠点数を抱える伝統産業の「インフラ更新」

 台湾全土で稼働工場数が最も多いのは、24,789拠点を抱える「金属製品」業界と、14,164拠点を有する「機械設備」業界です。2025年の総投資額は金属製品が519億台湾元、機械設備が411億台湾元と、トップ業界に比べ投資規模自体は控えめに映ります。

 両業界の内訳の動きに目を向けると、ともに161億台湾元を「建築物」に投じており、総投資額に対する建屋の割合が3~4割に達していることが分かります。特定企業による大規模投資というよりも、多数の事業所による老朽化対策や作業環境改善に伴う改修など、底堅いインフラ更新の需要が存在していることを示しています。

経営へのヒント:巨大投資によって生じる「現場の隙間」を狙う

 台湾の成長産業へ参入したくとも、「既存のサプライチェーンが強固で入り込めない」と悩む日系企業は少なくありません。しかし、主要な機械設備のサプライチェーンは既に確立されており参入障壁が高い一方で、搬入・据付、メンテナンスといった稼働に至るまでの周辺業務や、歩留まりを左右する工場環境の維持・改善といった需要は確実に存在しています。

 また、新工場建設が相次ぐPC・電子機器業界では、建屋の完成後、既存システムとのデータ統合やユーティリティ設備(電力・空調等)の保守アウトソーシングなど、運用・統合フェーズの摩擦を解消する技術支援が不可欠になります。

 競争の激しい領域を避け、こうした「投資から派生する実務・運用業務」に目を向けることが、次なる商機を探るヒントとなるでしょう。

 

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