コラム 経営 マーケティング 台湾事情 その他 作成日:2026年9月30日
ワイズ独自調査 3分でわかる!台湾市場トレンド記事番号:T00131043
皆様の時間を「ビジネスのヒント」へ。本コラムはワイズ独自調査から台湾市場のリアルを読み解きます。第25回は、台湾のB2B展示会で起きている役割の変化に迫ります。
世界が注目するコンピューテックスやセミコン台湾など、台湾のB2B国際展示会は近年、記録を塗り替えています。一方で、「出展したが、会いたい相手に会えなかった」という在台日系企業も少なくないでしょう。
その背景にあるのは、AI・半導体の供給網が集積する台湾へ、世界の大手企業が自ら作り手に会いに来るようになったことです。展示会は、商品を並べて注文を取る場から、技術を交わし業界が集う場へと変わりつつあるのです。
かつての展示会は「商品を見せて注文を取る場」
輸出主導で成長してきた台湾では、展示会は長く、輸出を後押しする商談の場として機能してきました。外貿協会(TAITRA)などが海外バイヤーを招き、台湾企業がブースに製品を並べて受注につなげる。コンピューテックスも当初は、PCや周辺機器のOEM/ODM(受託製造)の商談が中心でした。
今は「技術の方向性を共有する場」へ
この構図が、AI・半導体ブームで大きく変わりました。世界152カ国から来場者が訪れる現在のコンピューテックスでは、世界の大手IT企業のトップが基調講演の主役となり、AIの技術ロードマップを示します。それを製造する台湾のサプライヤーが同じ会場に集まり、その場で協業の具体化が進みます。
かつては台湾企業が海外の買い手を待つ場でしたが、今は世界を代表する企業が、自社の製品を支える作り手に会いに来ます。展示会の主役は、並べられた商品から、交わされる技術へと移っているのです。

産業集積が展示会を「業界の集う場」に変えた
この変化を支えているのが、台湾の産業集積です。国際業界団体SEMIが主催するセミコン台湾では、2026年に国家パビリオンが計18カ国に上り、65カ国から海外バイヤーが集まりました。50を超える国際フォーラムには国内外から350人の専門家が登壇し、1万1,000人以上が聴講しています。AI、先端パッケージング、シリコンフォトニクスなど、業界の次の論点が集中的に議論されました。
サプライチェーンが狭い地域に集積する台湾では、参加企業同士が互いに顧客であり供給者でもあります。世界の技術の方向性が、それを形にする作り手の集まる場所で語られる。台湾の展示会は、業界のサプライチェーンそのものが集う場となっているのです。
「名刺の数」から「誰と、どの技術でつながれたか」へ
こうした変化を踏まえると、在台日系企業にも展示会の使い方の見直しが求められます。ブースに製品を並べて来場者を待つだけでは、キーパーソンには出会えません。出展する場合は、会期前に面談を設定し、基調講演やフォーラム、会期中に各社が開くサイドイベントへの参加まで含めて計画することが欠かせません。視察する場合も、基調講演やフォーラムから業界の方向性を読み取り、自社の中長期戦略に反映させる視点が重要です。
名刺の枚数や商談件数だけで展示会の成果を測る時代は、終わりつつあります。「誰と、どの技術でつながれたか」という物差しを持つことが、出展判断や本社への予算説明の確かな根拠となるでしょう。
ワイズリサーチ トレンド観測室
お問い合わせ
research@ys-consulting.com
TEL:+886‐2‐2381‐9711
https://www.ys-consulting.com.tw/service/marketing/index.html
トレンド観測室
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722