記事番号:T00000016
● 台湾のセクハラ事情
1111人力銀行の最近の調査によると、会社員の57.84%がセクハラにあった経験が有り、男性の経験者は23.71%、女性の経験者は71.91%にもなるそうです。
セクハラの種類としては、1位が「ボディーへのタッチ」、2位は「不快な言葉」、3位が「露出や卑猥な動作」となっています。
セクハラの発生場所では、1位が「公共の交通機関」で、「オフィス」は2位にランクされています。
またセクハラをした人では、1位は「見知らぬ人」、2位は「上司」、3位は「同僚」と、事件にならなくとも会社内では頻繁にセクハラが発生している事がわかります。
● 事例:出張者のセクハラ
日系企業のN社は日本人も台湾人も、知らない人がいないほど著名な企業である。
N社では業務の関係で日本から頻繁に出張者があったが、そんな有る日の事…
日本からの出張者Tがエレベーターの中で、案内をしていた女性のヒップを撫でてしまったのである。
N社の牟田口総経理は「悪気があったわけではないのだから」「ちょっとした挨拶と思って」と被害にあった女性を宥めたが、納得してくれなかった。
その挙げ句、出張者Tは警察に連行になり、牟田口総経理はマスコミの対応に追われる事になってしまった…
● 2月5日より「セクハラ防止法」が施行
昨年施行された「労働者退職金条例」に引き続き、また企業の負担増加となる労働法規が施行されました。
その名も「セクハラ防止法(正式名:性騒擾防治法)」です。
皆さんもご存知の通り、セクシャルハラスメント略してセクハラは「性的ないやがらせ」のことで、相手の意志に反して不快に感じる性的な言葉やふるまいによる行為を指します。
言葉によるものや・写真を見せる・体に触れる・レイプなど性暴力に及ぶものまで様々な形態があります。
日本の「男女雇用機会均等法」に相当する法律として台湾では「両性工作平等法」が有りますが、今回の「セクハラ防止法」に相当する日本の法律は有りません。
冒頭の「台湾のセクハラ事情」でご紹介しました通り、女性社員の7割以上がセクハラの経験があるにも関わらず、68%の企業は対策を実施していないのが現状です。
今回の法律では社員10名以上の企業ではセクハラ対策が義務づけられています。
もし違反すると懲役2年以下の有期刑か10万元以下の罰金に課せられる他、企業イメージの損失に繋がり、大きなリスクとなりますのでご注意を…
ワイズコンサルティング 吉本康志