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第4回 台湾の独特な選挙文化


コラム 台湾事情 作成日:2010年11月8日

陳小姐的台湾トレンド情報2 台湾トレンド

第4回 台湾の独特な選挙文化

記事番号:T00026379

 
 月末の「五都選挙」がいよいよ近づいてきて、街が騒がしくなってきました。

 ご存じでしょうか?11月27日(土)は、「五都」:台北市、新北市(今の台北県が改称)、そして今の県と市が合併して誕生する台中市、台南市、高雄市の新しい市長、市議会議員、里長(町内会長のようなもの)を選ぶ選挙が行われます。

 そのため、あちこちで「請支持○号XXX!」(○番、XXXにご支持を!)など、選挙カーが休日の朝イチから大音量で連呼しています。本当にうるさくて、「せっかくの休みなのに勘弁してよ!」と怒鳴りたくなりますね(笑)。ですが、よく注目してみると面白いこぼれ話もあります。

「場外乱闘」が当たり前 

 例えば今回、台中市長再選を目指す国民党候補、胡志強氏の選挙活動をサポートするボランティア要員、「Hu’s girls」(台北在住にもかかわらず、胡氏を応援したいという若い双子姉妹が結成した女子応援チーム)。彼女たちは自ら胡氏のために曲を作り、踊りながら応援する様子を収録したビデオを作成し、それをネット上で流しました。

 しかし、どこかの誰かがふざけて、このビデオの中に台中の有名なキャバクラ店を登場させ、せりふを似たような発音の下品な言い回しに替えて、キャバクラの宣伝ビデオであるかのように改変してしまいました。

 「Hu’s girls」は記者会見を開き、涙ながらに怒りを訴えましたが、今度は彼女たちに「伴遊」(お金をもらってデートをする商売)をやっているのではないかとの疑惑が浮上。現在進行形で話題となっています。確実に言えることは、胡氏にとって決して良い宣伝にはなっていないということです。

 ちょっとどうかと思いますが、選挙となると誰もが別人になるような台湾では、こうした「場外乱闘」は毎回のこと。録音テープを偽造してライバルを陥れる、などといった例もあります。

 こうした現象は世界的にも珍しいようで、海外からの注目も集め、台湾の選挙文化をテーマとした論文もあるほどです。

中国語を学ぶには良い機会
 
 独特ではあるかもしれませんが、日本人にはあまり関係のない話…、いやいや、ここに意外と中国語を学べるチャンスがあります!

 選挙の立候補者は出馬を決意すると、それぞれ独自のキャッチフレーズを考案し、選挙活動に使用します。ですが、候補者番号(台湾では選挙の際、投票用紙に「候補者番号」を用いる)はくじで決めますので、自分の好きな番号を選ぶことはできません。

 そのため、各候補者は事前にすべての番号に応じたキャッチフレーズを考え、くじを引いたらすぐその場で自分の番号と用意したフレーズを大声で発表、さらに支持者がこれまた大きな声で繰り返します。一方、対立候補の支持者も負けじと自分の支持する候補のキャッチフレーズを叫び、まるで声の大きい方が当選できるかのように盛り上がり(?)ます。

例を挙げると:

 1番は「ナンバーワン」を示す、分かりやすく縁起の良い番号ですが、「一馬当先」(リードがずっと続くこと)とか、「一流の有権者は一流の候補に!」といったフレーズがよく使われます。

 2番なら「双双対対、台湾万歳」(「双」も「対」もペアの意、中華圏で偶数は縁起が良いとされる。また「対、dui」と「歳、sui」で韻を踏んでいる)など。

 3番の場合は、親指と人差し指で丸を作り、ほかの3本の指を立てると「OK」のような形に見えるため、3番を引くとすぐこのサインを作って「3番OK!」と叫びます。支持者はもちろん「OK!」と大声で返します。

 候補者の政見が見えません?そうですね、ただ縁起がいいだけの言葉になっています。でもそれでいいんです。なぜなら、市議会議員や立法委員などの選挙は候補者が大勢いるし、ひとりひとりの知名度もそんなに高いわけではないので、簡単で覚えやすいキャッチフレーズが求められるのです。

 いずれにしても縁起が良く、使える場面が多いフレーズです。今度選挙カーが家の近くを通ったら、うるさいとばかり考えないで、よく見て耳を傾けてみましょう。

 政見に共感しなくてもいい、キャッチフレーズだけを覚えてくれればOK!こんな台湾独特の選挙文化、どう思いますか?
 
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