Karte1:日本人夫婦の台湾起業③


コラム 作成日:2007年6月15日

コンサルタントの企業カルテ

Karte1:日本人夫婦の台湾起業③

記事番号:T00001082


●前回のあらすじ

吉沢夫妻は、台湾中部の都市である「台中」で「日式焼き肉」屋の開店にこぎ着けようとしていた。

…しかし、吉沢夫妻には過酷な試練が待ち受けているのであった…。


● いよいよ夢がオープン

吉沢夫妻の店舗のオープンは9月15日に決まり、台中の日系企業へのDM送付や近所へチラシ配りに忙しかった。

オープンの前日にはお世話になった人達への試食会も行い、あとはオープンを迎えるだけになっていた。

オープン当日は、まずまずの成功であったが、営業をしてみて、幾つか修正の必要な部分があった。

台湾では元々、宗教上の関係で、普段から牛肉を食べる人が少なかったのである。

台北の様な都会や若い人達は、抵抗は無いものの、台中の一般大衆には受け容れにくいものがあった。

また、日本風の焼き肉を食べたことがない人がほとんどだったので、オーダーにとても時間がかかった。

これらの問題については、急遽「二人、満腹セット」と「二人、牛嫌いセット」の二つのセットメニューを導入することで解決した。

セットメニューのお陰で、顧客も徐々に増え始めていた。

台湾ではこの年、9月23日が中秋節であった。

台湾では中秋節は家族や友達と焼き肉を食べる習慣が有るので、吉沢夫妻は売上に大きな期待をしていた…


●吉沢夫妻の悲劇

夫妻は仕事が終わり、部屋に戻り、3日後に控えた中秋節の企画を考えていたその時…

グラグラグラ!「地震だ!大きいぞ!」

住んでいたマンションがひっくり返る程の地震が続いた。

のちに「9.21台湾中部大地震」と呼ばれる大地震である。

夫妻は、急いで外に出て、地震の中、店に向かって走った。周りではビルが倒れたり、看板が落ちてきたりしている。

道ではあちこちで悲鳴や鳴き声が聞こえる。夫妻は無事店にたどり着き、肩を寄せ合い、朝になるのを待った。

朝を迎えても余震は続いていた。おまけに水道・ガス・電気の全てが使えなかった。

不幸中の幸いで、夫妻は直ぐ店に来ることが出来たので、店内は皿などが少々破損した程度で済んでいた。

しかし、中秋節に合わせて大量に仕入れた肉はほとんど駄目になってしまった…


●大地震から3ヶ月後の夫妻

悪夢の大地震からそろそろ3ヶ月になるが、各家庭は多かれ少なかれ、特別出費をしており、客足は戻らなかった。

それにより吉沢夫妻の焼き肉屋は赤字が続き、このままでは、あと1ヶ月程で現金が無くなってしまう状況になっていた。

 

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危機的な状況の中なので夫婦は小さな事で意見が食い違い、毎日喧嘩が続いていた…

(次回いよいよ最終回 〈4〉に続く)
http://www.ys-consulting.com.tw/column/index.php?action=1&tno=1137


ワイズコンサルティング 吉本康志
※本コラムはフィクションであり、特定の個人及び団体の事実ではありません。

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