記事番号:T00109200
【今回のご質問】
質問:IT化により業務効率がどのくらい上がるか予測できますか?
回答:はいできます。
このコラムは「DXを始めてみたい方」向けのやさしく現実的な内容です。
効率化の予測
前回、業務効率化の評価には数値化が望ましいとお話しました。「作業時間」を例に見てみましょう。
例えばエクセルの見積書作成業務を想像してください。これをIT化すれば「効率が上がる」ことは想像できますが、どのくらい効率化するのでしょうか?
次の手法を使って事前に予測することができます。先ずこの作業に掛かる時間を調べましょう。実際に計測しても良いですし、本人におおよその作業時間を聞いてもよいです。その結果は1日10回、毎回20分とわかりました。
次にIT化した場合を想定します。kintone(キントーン)の見積書作成アプリを使った場合には1回5分で済むとします。その場合は、エクセルは1日10回x20分=200分、kintoneは1日10回x5分=50分ですので1日150分短縮されます。成果をより精密に予測することができました。
複数人が関わる業務
次は複数人が関わるシーンを見積書作成の続きで説明します。
現状では担当者は作成した見積書をPDFに変換して承認を得るために上司の課長へメールで送ります。課長は内容を確認して修正点があればメールで修正点を知らせます。問題なければメールを部長へ転送します。部長が承認したら担当者と課長へメールで返信します。部長からメールを受け取った担当者は、お客様へ見積書を提出します。
見積書の現状フロー
このように文字で書かれると読んでいるうちに混乱しそうです。
そこでプロセスを図示化すると良いでしょう。それぞれに掛かる作業時間や応答時間(例えば課長がメールを見てから返事をするまでの平均時間)も記入すると業務完了までの時間がわかります。
IT化した場合を考えてみます。
見積書のIT化後フロー
承認が下りるまで平均115分掛かっていますが、IT化後は55分となり、60分短縮されます。IT化により業務効率がどのくらい上がるか予測できましたね。
宇都宮武則
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722