コラム

記事番号:T00010939
2008年10月17日0:00

 08年10月9日のワイズニュースはトップ記事で「高級輸入車市場、落ち込み鮮明」と報じた。

 06年から続いている自動車不況の中でも健闘していた高級輸入車であったが、今年は販売台数が大きく落ち込み、自動車業界に関わる皆さまの苦悩が伝わる。

 果たして「台湾での自動車販売はこのまま低迷を続けるのだろうか?それとも景気循環による一過性なものなのか?」を考えてみる。


●市場拡大の可能性

 まず世帯当りの自動車登録台数を見ると、世帯数は順調に増加しているものの、登録者数は伸び悩み、結果として05年をピークに減少している。(表1)

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  表1を見る限り、各世帯に対して販売台数を伸ばす余地はあるように思える。

次に自家用小型車登録数は何と関連があるのかを各種指標から洗い出してみた。

 相関度が0.95以上になる指標は表2の通り、相関度の高い順に「小型普通免許所持者数」「一人当りGDP」「平均給与所得額」「就業者数」となっている。

下図は表2の中から相関度が一番高かった普通免許の所持者数との関係を表してみた。

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 台湾の乗用車は免許取得者数以上に売れた「表の時期」は、ITバブルを境に終わっている。

その後、数年の同調時期を経て、カード破産が社会問題化した時期を境に免許取得者数を登録車数が下回る「裏の時期」に入っている。
 
 今後も「高速鉄道の利用度増加」や「MRT利用者の増加」により「裏の時期」が続くことが確実であり、自動車業界では「現在は異常ではなく通常である」との覚悟が必要だ。
 
 世界的な不景気が落ち着けば多少の市場拡大は見込めるものの、今後は過去のような盛況は期待できない。自動車業界関係各社は「減速時代の生き残り戦略」の構築が急務といえる。


●「経営の神様」死去
 
 きのう(16日)、台湾の偉大な経営者として台湾経済に大きな影響力のあった王永慶氏がこの世を去った。
 
 ワイズニュース編集長の吉川との会話…

吉本「今日のコラムを書いてて思ったのだが、故王永慶氏は本当に経営の神様だな」

吉川「なぜですか?」

吉本「それは自動車業界の『裏の時期』を読み切っているからだよ。王永慶氏は04年に自動車事業の経営に不満を表明し、結果として台朔汽車(フォルモサ・オートモービル)は07年に乗用車の生産から撤退している。今思えば、乗用生産からの撤退は王永慶氏が台塑集団に残した大きな遺産だな」

吉川「なるほど…。でも、台塑集団は王永慶氏がいなくてもやっていけるでしょうが、ワイズは社長に何かあるとやっていけなくなるので、健康には気をつけて下さいよ」

吉本「おまえ… ありがとう(T_T)」

吉川「そう言えば… 最近また太ったのではないですか? ちゃんと運動して下さいね」

吉本「忠告はありがたいけど…最近急速に肥えてきたおまえにだけは言われたくない(;^_^A」


ワイズコンサルティング 吉本康志