記事番号:T00125078
■なつかしの三段箱
白河総経理の背中に当たっていた西陽がお店の奥を照らしていました。白いテーブル上のコーヒーを見つめては、生ビールが飲みたい衝動を押さえながらkintone(キントーン)の話を続けています。
発芝「白河さんが新潟支店時代にkintoneを使っていた話、すごく参考になります。具体的にはどのような業務に使っていましたか?」
いつの間にか、発芝総経理はスマートフォンへメモを取り始めていました。
白河「群馬支店からkintoneのアプリを移植した当時は、社内申請が中心だったかな。社内申請書はどこの支店も同じ様式だったからね」
白河総経理は新潟支店へ異動する前のことを話し始めました。
白河「支店長をはじめとした主に係長以上の決裁者の机には、三段重ねの透明な箱が置いてあってね」
両手を使って大きさを示しました。
白河「ちょうどA4が入るサイズさ。箱には上から申請・再考・承認済と書かれていました」
発芝「なるほど、申請書を一番上の申請箱へ入れるわけですね」
白河「外回りから戻ると、入れられた申請書に目を通すのが日課だった」
発芝「承認できた申請書は承認済箱へ、できない申請書は再考箱へ仕分けたのですよね。我が社も同じようでした」
白河「机の引き出しから、シャチハタ印を取り出すと決裁OKの申請書に片っ端から押したもんだ」
発芝「終業時刻前に箱の中身を回収に来ました。次の宛先へ配るのですね」
申請業務は日常的に手作業でした。
■思い出の行列
白河総経理は何かを思い出して急にニヤニヤしました。発芝総経理はウエイターにコーヒーのおかわりを告げながら「何を思い出しているのですか?」と尋ねました。
白河「海外出張のことを思い出してね。台湾ほかアジア4カ国を2週間かけた出張から戻った次の月曜日だった」
発芝「なんか面白そうな話ですね」
白河「実は土曜日に業務スタッフから月曜日は1時間早く出社してもらえませんか、というメールが入っていたんだ。何事かと思い言われるとおり1時間早く出勤したよ。そしたら…」
と、ここで含み笑い、
白河「私の机の前に長い行列ができたではないですか!こんなことは初めてだったので驚いたよ」
発芝「何が起こったのですか?」と興味津々です。
白河「しばし理解できずにいたらカレンダーが目に飛び込んで来た。3月31日」
発芝「あ!年度末ですね~」
社内ルールで、あらゆる費用承認を今日中に決裁しないといけないのでした。
白河「その日は、出張報告も昼飯も後回しにして、朝から晩まで申請書の仕分けと押印を繰り返しました」
二人は「社内申請あるある」の話で盛り上がりました。
宇都宮武則
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