第45回 台湾語ドラマ


コラム 台湾事情 作成日:2015年5月26日

台湾人研究所 台湾研究

第45回 台湾語ドラマ

記事番号:T00057164

 台湾では中国語(北京語)、台湾語(閩南語)、客家語、原住民語と、族群(エスニックグループ)によってさまざまな言語が使われています。公用語の北京語を除くと台湾語は最も使う人が多く、中南部に行くほど日常会話に台湾語を使う割合が高まります。特にお年寄りは台湾語しか話せないという人も多いです。

 今回は、根強い人気を持つテレビの台湾語ドラマについてご紹介します。

話数が多い「長寿劇」

 台湾語ドラマはローカルドラマを意味する「本土劇」や「郷土劇」と呼ばれています。ほとんど夜8時からの放映のため「8點檔」という別称もあります。主に三立電視台(SET)と民間全民電視(FTV)の2局が放映しています。人気が出たら放映期間をどんどん延長していくのか、話数が多いドラマが少なくなく「長寿劇」とも言われます。日本のドラマは週に1回、1回1時間の放映でだいたい1クール、3カ月10話で終わりますが、台湾語ドラマは月曜日から金曜日までの週に5回、1回2時間の放映です。しかも1年以上続くことが少なくないです。これまでで最も放映期間が長かったのは三立電視台(SET)の「鳥來伯與十三姨」で、1999年から2009年までの11年間、毎回30分の放映で実に2,708話まで続きました。

「ちょっとやり過ぎ」の定番設定

 台湾語ドラマには定番とされる設定が多く、オンラインリサーチのDailyViewは14年6月、視聴者の好きな定番設定ランキングを公表しました。それによると、最も好まれるのは「結婚式のトラブル」で、次いで「はやり言葉を取り入れる」、「事故」となりました。

 結婚式のトラブルとしては、結婚式に新郎の2人の元彼女が同時に乗り込んで暴れたり、新婦が結婚詐欺に遭ったことが結婚式場でばれたりといったものがあり、いずれも人気を呼びました。交通事故や墜落事故での記憶喪失も定番です。「夜市人生」というドラマでは、トラックにひかれた男性が派手に遠くに飛んで「あり得なさ過ぎ」と話題を集めました(https://www.youtube.com/watch?v=TPWhdl-LBtk) 。浮気、不倫はもちろんのこと、登場人物が親子鑑定をする設定も少なくないです。あるドラマでは、異なる役者の組み合わせで親子鑑定が3回以上も行われました。一体誰が本当の親子なのか、視聴者はさぞや混乱したでしょうね。

 考えられない脚本に加え、役者のアクションや表情も大げさで、この「ちょっとやり過ぎ」感が視聴者を引き付けているようですね。

最新ニュースを随時追加

 最新の社会ニュースを随時脚本に追加するのも特徴です。

 昨年のヒマワリ学生運動で、民進党の台北市議、王世堅氏が、学生たちを挑発に来た暴力団のリーダー、張安楽氏に対し「Over my dead body(私の死体を越えて行け)」「来来来(来い、来い)」と叫び、一躍流行語になりました。そしてこのせりふが早速、『世間情』というドラマの1シーンに反映されました(https://www.youtube.com/watch?v=ZlNtzqCamIA) 。『世間情』では、同性婚を含む家族形態の多元化に関する法案が話題になった際に、主演女優2人に同性愛の設定を追加しました。これは台湾で大きな話題になったのみならず、米国の同性愛の女性向けサイト「AfterEllen.com」でも報じられました。台湾で今何が話題になっているのか、台湾語ドラマを見ればすぐに分かりますね。

 台湾での生活で、中国語だけでも苦労されている方が多いと思いますが、台湾語ドラマもぜひ見てみてください。言葉が分からなくても設定は分かりやすいので、「ちょっとやり過ぎ感」を大いに楽しめると思いますよ。

ワイズリサーチ 高 莉安

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