記事番号:T00051667
公共交通機関の台北MRT(都市交通システム)やバスで通勤する皆さま、台湾人は席を譲る人が多いことに気が付きましたか。
「譲らない」はわずか3%
市場調査会社、波仕特線上市調網(ポルスター)が2009年に実施した「台湾人の座席を譲る習慣」に関するアンケート調査によると、「ほとんど席を譲らない」という回答は2,139人中64人、率にしてわずか3%にすぎませんでした。その他の回答は、▽優先席に座らない、29%▽優先席は譲る、32%▽一般席を譲る、36%──と続きました。全体として席を譲る傾向が分かりますが、現在は当時に比べてスマートフォンやタブレットパソコンに夢中になって周りを気にしない「低頭族(うつむき族)」が増えており、席を譲る人は減っているかもしれません。
優先席には座らない
優先席には混雑していても座らない傾向も台湾の特徴です。ポルスターが今年4月に行った「若者が優先席に座ることを認めますか?」というアンケート調査の質問に対しては、「認めない」という回答が6割に上った一方、「認める」は2割以下にとどまりました。
こうした傾向の背景には、以前バスで高齢者に席を譲らなかった若者がニュースで報じられたことがあり、その影響もあるのかもしれません。席を譲る行為はあくまで他人への善意に基づくものですが、そうした報道は「譲らない方が悪い」というトーンで行われるため、それに対しての賛否両論もあります。
一方、世間は若者が優先席に座ることに対してはどう考えているでしょうか?これには「認めない」と「あまり認めない」の合計が60%に上った一方、「認める」はわずか13%にとどまりました。若者が優先席に座らない背景には、こうした「世論」があることが分かります。
「認める」という人からは「若者だって体調不良の時がある」といった理解ある声もあります。ただ、外見が健康そうに見えても、外から見ただけでは分からない障害を持つ人もいます。そういう人が優先席に座って批判されてしまうのは不公平でしょう。若者も同じ乗車賃を払っているのだから、本来は利用の仕方で差別されるべきでないかもしれませんね。
年齢に関係なく、誰でも席に座りたい時があります。親切で温かい台湾人の特性が発揮されて、席を譲るという美徳がこれから続いていってほしいですね。
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