記事番号:T00052961
この3年間、毎年12万5,000人以上の台湾人が改名(名字の変更ではなく、名前の変更)届けを出しました。ここでの改名は、ニックネームなど通称の変更ではなく、戸籍上の名前をきちんと法律的な手続きを経て変更したことを指しています。おそらく日本や他の国と比べて改名の割合が高いことでしょう。
本来の名前と全く異なる名前に変更する例も多く、複数回変更している人もいます。私の友人の中には、家族全員が一斉に改名したというケースもあります。
改名=改命?
台湾人の日常生活には占いや風水が深く入り込んでいます。街の至る所に占い館があり、観光地化された占い横丁なるものも存在します。
台湾では、子供の名前を決める際に姓名判断が重視されており、専門の占い師に相談することもよくあります。大人になってからも、特に就職や結婚など人生の岐路や、難病・大病を患った際に姓名判断を利用し、その結果に従って改名するケースが少なくありません。改名を改運(開運)の契機にしたいという思いがあるようです。
私の友人の家族が全員改名したケースでは、妹が奇病で、占い師に相談したところ、改名したら治ると言われたそうです。四柱推命(命理学)では、親族の運命は連帯関係にあるとされています。そこで、妹の病気が治るよう、また自分自身の運命も変えたいと考え、家族全員が改名しました。興味深いですね。
原則2回まで可能
台湾の法律では、成人前に親の了承を得て1回、成人後に自分自身の判断で1回、合わせて2回の改名が認められています。
「姓名条例」によれば、改名の申請ができるのは以下の事由がある場合です。
1.一つの機関、機構、団体または学校で同時に、姓名が完全に同一の人がいる場合
2.3親等以内の直系尊属と名前が完全に同一の場合
3.一つの直轄市、県(市)に6カ月以上居住し、同時に、姓名が完全に同一の人がいる場合
4.公務員への任用時に姓名が完全に同一であることが発覚し、任用機関から通知を受けた場合
5.指名手配犯と姓名が完全に同一の場合
6.命名文字の字義が低俗、下品、または他の特殊な理由がある場合
台湾の改名申請では、その人の日常生活の範囲内に同姓同名の人がいることが理由とされるケースが多いようです。
よくある名前は「菜市場名」
台湾でありふれた名前のことを「菜市場名」といいます。「菜市場」とは台湾の伝統的な食材市場のことで、菜市場でその名を呼べば、大勢の人が振り返るからです。
私の名前は菜市場名ではなく、今まで同じ名前の人に出会ったことがありません。ただ、発音がキャベツの発音に似ているので、子供のころにニックネームを付けられ、改名したいと思っていました。大人になった今は自分の名前にすっかりなじんだので、改名しようという思いはなくなりましたが。
内政部の戸籍登記資料によると、男性で最も多い名前は▽2011年、志明▽12年、家豪▽13年、宥翔──、女性は▽11~12年、淑芬▽13年、語彤——でした。あなたの同僚や、その子供の名前と同じではありませんか?
ワイズリサーチ
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