第5回 経営職の限界利益に対する理解


コラム 人事労務 台湾事情 作成日:2016年6月3日

荘講師のスキルアップ教室

第5回 経営職の限界利益に対する理解

記事番号:T00064531

中華公司はA製品の製造と販売をしています。A製品の毎月の販売数は400個、販売額は10万台湾元、変動費用は6万元、固定費用は3万5,000元、利益は5,000元です。

 ある日、同社の李副総経理が社長に提案をしました。

李副総経理:「A製品の販売数を伸ばすために、生産過程でハイレベルの部品を採用したいと考えています。これでA製品の品質が強化され、市場競争力が上がります。ただ1製品当たりの変動費用が20元増えるのですが、いかがでしょうか?」

社長:「その部品を採用した場合、A製品の販売数はどのくらい増加するのか予測はできているのかね?」

李副総経理:「できています。A製品の販売数は毎月480個に増える予測です」

社長:「もともとA製品の1製品当たりの限界利益はどのくらいなのかい?限界利益の総額は?提案の部品をもし採用した場合、限界利益総額はどのくらい変わる予測なのかい?毎月の利益は増えるのかね?」

李副総経理:「何が限界利益ですか?感覚として、販売数が増えたら利益もおそらく増えると思っていました」

社長:「李副総経理、戦略を立てるには数字による根拠が必要なんだよ。ただ感覚に頼るだけではだめだぞ!」

 

●解説

結論:同提案は不採用になりました。なぜなら、提案の部品を採用した場合、利益はわずか3,400元と、もともとの利益5,000元を下回ってしまうためです。

計算方法:

1.もともとのA製品の

限界利益総額=販売額-変動費用=

100,000元-60,000元=40,000元

1単位当たりの限界利益=製品販売単価-1単位当たりの変動費用=250元-150元=100元

2.A製品の品質を上げた後の1単位当たりの変動費用は20元増加、1単位当たりの限界利益はもともとの100元から80元に減少。

限界利益総額の予測=80元×480(個)=38,400元

3.品質を上げた後のA製品ともともとのA製品の限界利益総額を比較すると1,600元減少(38,400元-40,000元=-1,600元)。つまり、実施した後の税引き前利益は、5,000元-1,600元=3,400元となるのです。

 利益について考えるのと、市場競争力について考えるのとでは、方針はかなり違うものになります。李副総経理は、単純に販売数を増やせば利益は増加すると考えていましたが、実際には減少してしまうところでした。

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荘建中

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