記事番号:T00111817
第32話 【今回のご質問】
質問:中小規模組織でのDXのやり方を知りたいです。
回答:はい、中小規模組織のDXを考えましょう。
目先の事から始める
DXに高望みをする必要はありません。目に見える事、手に届く事から始めましょう。例えば、A社の総経理のように「紙をなくすこと」、或いは「ハンコやサインをなくすこと」「外出先からでも決裁ができること」「営業活動を見える化すること」「白板へのスケジュール書きをなくすこと」「手書きの出勤簿をやめること」「給与計算を自動化すること」。身近な課題はいろいろと見つかります。その課題を解決しようとするか、しないか、総経理の決断次第です。
総経理の本音?
ある総経理はこう言います。「幹部たちも総経理の扱いは心得ていて、どうせ私の任期が終われば元の状態に戻ってしまいます」(トラウマでしょうか?)
解決策は持続可能な体制を作ることです。手作業を単純にデジタル化したケースと比べまして、業務フローの改善が伴うケースでは、過去の業務のやり方へ後戻りすることはほとんどありません。
B社の営業日報の改善例です。改善前、営業スタッフは一日の訪問が終わると会社へ戻りパソコンを開いてメールに日報を記入して営業部長と関係者へ送信します。翌朝全てのメールに目を通すのが営業部長の朝一の仕事でした。
2度のチャレンジ
B社は2度デジタル化をおこないました。課題は顧客ごとの活動状況と進捗が時系列に把握できないことでした。
そこで1度目は、日報を顧客毎に用意したエクセルシートに記入するようにしました。すると営業部長は顧客ごとの活動状況と進捗がわかるようになりましたが、その反面、入力する側の手間は数倍になりました。1ヶ月も経たずに元のメールに戻りました。
2度目は、目的を「顧客情報の一元管理と活動の見える化」と明確にしました。その上で業務フローを次のように見直しました。
訪問が終わるとスマホから活動報告を音声で顧客毎に入力します。入力が終わると営業部長へは自動的に通知が届きますので、必要なときに営業部長は通知を開いて活動報告を読みます。
営業スタッフのメリットは入力の手間が減り、毎日の帰社と日報入力にかかっていた時間で1社多く訪問することができるようになりました。
管理部長のメリットは活動報告の確認に掛かる時間が短縮できたと同時に、顧客毎の案件進捗状況と受注見込み(図:確度別の受注予測金額)がわかります。
参考までに2度目はツールにkintoneの営業支援パックを使われました。
宇都宮武則
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