記事番号:T00112317
第37話 【今回のご質問】
質問:社員にデジタル思考を身に付けさせたいのですが?
回答:はい、具体例からデジタル思考の養成について考えましょう。
このコラムは「DXを始めたい方」向けのやさしく現実的な内容です。
K社の総経理
台北市のK社総経理は初めてのDXを「社内申請のペーパーレス化」にしました。
「申請書の数はどのくらいありますか?」との問いかけに、現状お使いの紙の申請用紙を見せてくれました。「このうち、私(総経理)まで回ってくるものだけでも12種類あります」
先ずは全ての申請書の用途と承認ルートを整理しました。その結果、既存の紙の申請書は24種類、似通ったものを整理したところ16種類になりました。
承認ルールも整理したところ総経理の決裁が必要な申請は7種類でした。
3つのステップ
kintoneを使ってデジタル思考を身に付けるステップは3つです。
1.業務アプリを使ってみる
デジタル化の利便性を知るには実際の業務で使うことが一番早いです。そこで日々の業務から幾つかをデジタル化して使わせてみます。
2.業務アプリの作り方を教わる
ツールの使い方を学んで各自がアプリ作りを体験します。デジタル化は特殊な作業ではなく誰にでもできることをわかってもらいます。
3.業務アプリを作ってみる
社員自身が不便に感じる業務や、非効率だと感じる業務のアプリを作らせてみます。自身で業務アプリが作れて業務改善ができた達成感はさらなる向上心となります。
同時に経営者側は新しいアイデアやアプローチに対して失敗を恐れずに挑戦できる寛容な環境(雰囲気)作りもしましょう。
習うより慣れろ!?
ここまで読んで不思議と感じる方もいらっしゃいます。なぜなら「デジタル思考」を直接学習させていません。そこがポイントです。
デジタル思考の根底は「論理的に考える」ことです。
kintoneというデジタル化ツールは、用意された様々なパーツを組み合わせることでアプリを作れます。業務アプリ作りが、実際にはパーツをどのように組み立てれば思い通りのモノが出来るか論理的に考える訓練となっているのです。
更にkintoneはデータベースでもあります。登録されたデータを図表にしたり、別のアプリで取り出したりすることも論理的な考え方を育みます。
これまでの経験上、初めから座学でデジタル思考の講習を行うと、その時点で挫折する社員が出てしまいます。一度挫折すると社員はデジタル化に興味を示しません。
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