記事番号:T00112569
【今回のご質問】
質問:社員にデジタル思考を身に付けさせたいのですが?
回答:はい、具体例からデジタル思考の養成について考えましょう。
(第4回/全4回)
このコラムは「DXを始めたい方」向けのやさしく現実的な内容です。
ステップ2:作り方を教わる
社員がよく使う申請書6種類をkintone(キントーン)で1ヶ月ほど試しましたので、ステップ1「業務アプリを使ってみる」はクリアしました。そこで次のステップ「業務アプリの作り方を教わる」では、各部門から選抜した社員たちで残りの申請書のアプリを作ることになります。
先ずは作り方の講習会をおこないますが、聞くだけでは退屈ですので皆さんにも手を動かして貰います。そこで残りの紙の申請書を1つずつ各社員へ渡し、レイアウトから自分たちで考えるさせることにします。最初は険しい表情で試行錯誤していましたが、作り方のコツが掴めると冗談を言って和む余裕も出ました。アプリが出来たら自分の想定どおりに動くかを動作確認します。kintoneの使い易い点は、作ったアプリの動作確認が直ぐに出来ることです。そして不具合があれば直ぐに修正できます。
こうして無事に残りの紙の申請書がアプリになりました。自身でアプリが作れたことに感動している方もおりました。
ステップ3:自分で作る
次に総経理と仕掛けたのは「各部門で3つずつアプリを作ること」です。
作るアプリは業務に関わることならば何でもOKとしました。あえて、効率化や利便性を求めません。なぜなら、何でもかんでもアプリにすれば良いとは限らないことも経験上から知って貰う為です。アプリにしたら逆に効率が落ちたりする業務もありますし、アプリを作る労力に見合わない業務もあります。失敗から学ぶのも有りです。
面白いもので、社員さんたちに自由にアイデアを考えさせると私たちも想像していなかった用途を考え出すものです。考えたアイデアからkintoneを使って具体的なアプリという形に創ってゆく工程ではデジタル思考が育まれます。
ここでアプリ作りを個人ではなく「各部門」とした意義が見えてきます。チーム作業とすることで助け合いが生まれます。お互いが悩み、教え合い、討論し合うことでお互いのデジタルスキルが上がっていくのです。
結果、実用的ではないアプリもそこそこ見受けましたが、自分で作るスキルを身につけられましたので期待通りの成果でした。
会社が変わる予感
半年後、K社の総経理が就業規則のご相談でご来社された際におっしゃいました。「アプリは40を超えました。結構上手に使っています。それと、報告やプレゼンが上手になりましてね、筋道を立てて理論的に話せるようになったのです。会社が変わりそうな予感です」
宇都宮武則
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