記事番号:T00111945
第33話 【今回のご質問】
質問:中小規模組織でのDXのやり方を知りたいです。
回答:はい、中小規模組織のDXを考えましょう。
DX推進役は経営者
日本本社の場合には経営者がDXのミッションを決めて、情報システム部門へ命ずればDXを推進できます。しかし人も少なくIT専門職もいない中小規模組織では、経営者自らがDXの推進役となるべきです。
その理由は、経営者が担当者を任命したりプロジェクトチームを編成してDXの任務を丸投げしてしまうと、彼らのやりやすい方向へ流されてゆきます。
その結果として、自分たちで考えもせずにITベンダーへシステム化を依頼してしまい第25話「失敗に学ぶこと」でも説明しましたとおり、いつの間にか目的が「システムの導入」にすり替わることがあります。これでは権限委譲ではなく放任です。
経営者がDXの必要性を理解して幹部に熱く伝えることが大切です。そこから組織の意識改革が始まります。
DXは単なるIT化にあらず、企業風土の変革でもあるのです。目的を明確にして、経営者が先頭に立って目的から外れないようにチームを率いてゆきます。
デジタ…舌をかみそう
DXについて調べていると2つの言葉に出合います。「デジタイゼーション」と「デジタライゼーション」です。ITが苦手になるのは、このようなカタカナ表現が多いからなのかもしれません。
デジタイゼーションを調べると「計数化、デジタル信号化、単なるデジタル化」、デジタライゼーションは「特定の業務プロセス全体をデジタル化する。デジタル化により製品やサービスの付加価値を高める」だそうです。
私の実家は商店でしたので、「コクヨのウ-306N」という既製品の手書き見積書を使っていました。
この見積書をエクセルで作って印刷するとデジタイゼーションです。エクセルならば活字も読みやすいし、再利用できるので少しは便利になります。
更に進んで見積書をベースに納品書や請求書を作成できたり、売掛金や入金が管理できればデジタライゼーションです。
小休止:デジタルって何?
今更ですが「デジタル」とは何でしょうか?
デジタルは離散量といい、飛び飛びな量です。対となるアナログは連続量といい、途切れることのない量です。
現実世界は時間のように連続量から成り立っていますが、コンピュータの世界では、それを擬似的に表現するために離散量として扱われます。
ホームページなどに掲載されている写真はデジタルで作られているので、大きく大きく拡大すると、飛び飛びな点が集まって作られているのがわかります。
このように現実世界の事をコンピュータで扱える形(すなわちデジタル)で表現し直すことが「デジタル化」です。
宇都宮武則
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