記事番号:T00001910
最近のトレンドと言えば、あまりうれしくありませんが、物価上昇に触れない訳にいきません。
今回の一連の物価高騰では、5月から日用品の上昇が始まりましたが、庶民に食事を提供する店は、客離れを恐れて値上げせず我慢したところが多数でした。しかし8月に入るや、値上げの波はついにそうした食品にも及んで来ました。めんや包子(バオツ)、豆干、野菜類、チャーハン、米粉、紅豆餅、タピオカミルクティー。それにストローや、コップの紙ぶた、ビニール袋まで、価格はおしなべて2~3割上がっています。ある山東マントウ店の主人によると、22キロ入り袋の小麦粉が390元から450元に上昇したため、マントウ、包子、小龍包などを2割値上げせざるを得なかったそうです。
女性が好きなナイ油餅(ナイは女へんに乃)は4割上昇。5元だった紅豆餅も、バター、砂糖、豆類、ガスがみな上がった結果、一昨日から台北市内の多くの夜市や売り場で価格表示が「7元」に切り換わりました。店の主人は、「ガスだけでもう3回値上がりしているのに、これ以上値上げを我慢したら慈善事業になってしまう」とやるせない表情で語ります。
台湾式しゃぶしゃぶ店では、飲料のコップの大きさが小さくなったり、デザートが出なくなったりしています。鍋の値段を上げるとお客の不満を買うため、こうするしかないそうです。有名店でも、開業以来一度の値上げもなかった鼎泰豊が、7月から10%のサービス料を取るようになりました。
1カ月の食費が3千元上昇
私たちOLもよく食べる、鶏脚弁当は70元から90元に上がりました。台湾では三食全てを外食で利用する人も少なくないのですが、1日当たりの食費は、節約をしていないのであれば、3カ月前より100元、1カ月では3,000元上がってしまっていると思います。
こんな中で、唯一上がらないのがまさに「給料」です。いわゆるM字型社会への移行で、貧しい者は貧しいままですが、富める者はますますリッチになっていくようです。テレビで三食もままならない子供たちを目にした時、一方で数億元もする豪華住宅に惜し気もなくお金を出すいわゆる「上流社会」の人たちが存在することを思い出して、「現実は厳しい」とじっと手を見つめるばかりです。
ワイズコンサルティング 陳逸如