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ある調査によると、この2年間台湾のフィギュア市場は年30%以上の成長を続け、市場規模は500億台湾元(約1,800億円)まで成長したそうです。商品の差別化は簡単にできることではないので、コストが低く、娯楽性の付加価値が高いフィギュアは最強のマーケティングツールとなりました。
売り上げが大幅アップ
特にコンビニは消費意欲を高めようと、フィギュアをプレゼントするキャンペーンを各業者が行っています。消費者はコンビニのポイントシールを集め、一定の枚数になると景品のフィギュアがもらえます。今年このフィギュアキャンペーンを勝ち抜いたのは全家便利商店(台湾ファミリマート)の「好神公仔」(台湾の神様をキャラクターにしたフィギュア)でしょう。キャンペーンの始まった7月から9月末まで、引き換えられたフィギュアは約400万個に上り、同時に売上高も昨年同期比10%で以上伸びて100億元近くに達しました。8月の売上高は単月としては創業19年で最高、昨年同月比24%増の33億4,000万元で、全家の幹部は「すべて『好神』のおかげです」と語っています。
ファミマの「好神公仔」
萊爾富(ハイライフ)では日本の人気アニメ、「あたしンち」のキャラクターフィギュアの引き換えキャンペーンを行っています。一回当たりの買物金額77元以上で、1ポイントのシールがもらえ、シール10枚でフィギュア1個と交換できます。「今どこでも話題になっているのはフィギュアで、コンビニはフィギュアを収集する場所に変身しました」と語る同社では、キャンペーンで30%以上の売上成長率達成を目標にしています。
ドラッグストアも、ブームを生かそうと「フィギュア戦略」への取り組みを始めました。最大手の屈臣氏(ワトソンズ)は台湾進出20周年を記念して、「きれいになれる、金持ちになれる、健康になれる、頭が良くなる」という4つの効果を持つとしたオリジナルフィギュア、「魔法公仔」を発表。399元の買物で1個もらえます。
屈臣氏は実は昨年も同じキャンペーンを実施していて、客単価の上昇に大きな効果がありました。今年のキャンペーンでは、業績の20%向上、売上高にして7億~10億元の増加を見込んでいます。
Mister Donut公仔(左)と7-11Openちゃん公仔(右)
そもそも香港での人形などの呼び方である「公仔」が、これほどのブームになった理由は何なのか、関心を持った人も少なくないと思います。「公仔」はアニメキャラクターなど、身近で愛着を感じられるものが多いことはポイントの一つでしょう。また、少しのお金または無料で、収集欲を誘うフィギュアを手に入れられることに抵抗を感じる人はいないでしょう。ある消費者は、「ポイントをためてフィギュアと引き換えることは、クレジットカードの還元ポイントでショッピングすることと一緒だ」と語ります。還元ポイントでショッピングするお得感は、誰にとっても蜜の味ですものね。
ワイズコンサルティング 陳逸如
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