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今回は今年最後のトレンド情報になります。1年の締めくくりは、女性が大好きなインターネットショッピング事情についてご紹介します。資訊工業策進会市場情報中心(MIC)によると、2009年の台湾ネットショッピング市場の規模は、08年比で30.4%成長して3,116億台湾元となっています。そのうち、旅行関連、ファッション関連、IT製品が71.6%を占めているそうです。今回は、台湾でよく利用されるネットショッピング・オークションサイト、ヤフー!奇摩での人気商品トップ3をご紹介しましょう。
今年の人気No.1は「売自己」(自分を売る)です。これは自分を商品として誰かに売るのではなく、個人の時間を販売するサービスです(今年4月にご紹介した「パシリ」サービスと同じです。
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http://www.ys-consulting.com.tw/column/index.php?action=1&tno=14638
1位になった理由は、不景気で企業への就職が厳しいため、1人で起業し、社員がいなくても、製造コストもかけなくてもできるサービスで収入を得たいと考える人が多かったからのようです。サービスの内容は買い物から配達、ペットの世話、洗濯物を干すなど、さまざまです。
第2位はマイケル・ジャクソン関連の商品です。今年6月の突然の死は、世界中の話題となりました。台湾にもファンが結構いたようで、マイケルが亡くなった日から5日間で、ヤフーオークションでのユニーク検索回数は1万回を超えました。
「負け犬」ドラマで商品人気に
第3位はテレビドラマ「敗犬女王」の関連商品です。今年1月から5月末まで三立電視台(SETTV)で放送され、通年で最もヒットしたドラマとなりました。日本でも9月からBS日テレで放送中です。
「敗犬」(負け犬)とは、30歳を超えた独身キャリアウーマンのこと。ドラマの主人公は32歳のキャリアウーマンで、8歳年下の生き方も正反対の男性と、最悪の出会いから思わぬ方向へと2人の関係が動き出すというストーリー展開です。年齢も、境遇も、人生観も異なる2人の恋の駆け引きをユーモアたっぷりに描き、若い女性を中心に人気を集めました。
ドラマのブームはネットショッピングにも及び、主人公の衣装は「負け犬ファッション」と名付けられてOLたちの注目を集め、主人公の格好をまねた洋服を買う女性が増えました。また「敗犬女王」の主演女優、楊謹華をイメージキャラクターに起用した商品も売れ行き好調です。ヤフー!奇摩の統計資料によると、「敗犬女王」関連商品は、ドラマの放送期間中、単月の検索回数は最高3万7,711回にも達したそうです。
ネットショッピングというビジネス形態は、不景気と女性に影響されるといわれています。ここ数年、消費の巣ごもり傾向が強まっていますが、ネットショッピングは不景気の度合いが深刻になるほど人気が高まるそうです。もう一つ大きな影響要素である女性の消費力も、ヤフーの話題商品トップ10のうち7割がレディースファッションに関連することからみて、無視できないもののようです。
★追記:
来年も引き続き、台湾の興味深いトレンド情報をお届け致します。どうぞよろしくお願いいたします。
ワイズコンサルティング 陳逸如