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「小資女孩」という言葉は、台湾で人気を呼んだドラマ『小資女孩向前衝』(和訳:進め!キラメキ女子)によって知られるようになりました。小資女孩とは、社会人になってからだいたい3年から5年で、固定収入と少々の貯金を持っていて生活に困っておらず、今を楽しく生きる独身OLのことです。小資女孩たちは、キャリアウーマンになろうという志向はありませんが、恋愛のことばかり考えているわけではなく、自身の能力で実現できる物質的な豊かさに満足し、また精神面の充実も追求しています。
金銭感覚は男女平等傾向?
1111人力銀行が未婚のOL944人を対象に行ったライフスタイルに関するアンケート調査では、小資女孩に当てはまる特徴14項目のうち、回答者の平均は5.5項目でした。回答者の52%は6つ以上の項目が当てはまり、小資女孩といえそうです。最も多くの人が当てはまった特徴は、「ベストにならず、ワーストにもならない職場スタイル」と「安定していて夢中にならない恋愛観」でした。ただ、小資女孩に当てはまらないOL女性のうちの3分の1が、小資女孩に対して「自己中心的過ぎる」、「ぜいたく過ぎる」、「金銭感覚がない」と批判しており、小資女孩のイメージの一端が分かります。
ただ、小資女孩は結婚相手に求めたい資産などの経済条件を503万台湾元としている一方、非小資女孩の場合は777万元で、274万元もの開きがあります。これは小資女孩はある程度の経済能力を持つため、自立した女性として非小資女孩よりは男女平等に近い金銭感覚を持っており、また比較的相手の資産にこだわらないことを意味しています。
小資狙ったビジネス続々
小資女孩というコンセプトは、いまや男女を問わない「小資層」という消費者カテゴリーとして定着しつつあるようです。リッチには届きませんが、定期的に旅行に行ったり、たまには高級料理を食べに行ったり、好きなブランドが買えたりするぐらいの経済能力を持っており、こうした層を狙って先日不動産業者が「小資買得起的住宅」(小資層でも買える住宅)をいうキャッチコピーの広告を打ったところ、問い合わせが殺到しました。また、ファストフードのケンタッキーフライドチキン(KFC)がメインディッシュ、フライドポテト、飲み物を組み合わせて「79元小資餐」というセットを打ち出したところ、若いサラリーパーソンからがぜん注目を浴びています。
「小資でも買える!」とアピールした新北市淡水の不動産物件の広告です。今最も注目を集めるコピーでしょう。
台湾では以前、「辦公室女強人」(キャリアウーマン)や、当コラムで紹介した「便利貼女孩」(※)などのワーキングウーマンを表す言葉が流行しましたが、今のトレンドは「小資女孩」です。今後はどんな新しい言葉が生まれてくるのか、とても楽しみにしています。
※便利貼女孩:ポストイット(付箋)のように人によく利用され、頼まれた仕事が終われば捨てられてしまう人のことです。
段婉婷
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