記事番号:T00008268
職場快閃族の職業観とは
最近、転職したいという知り合いの相談に乗ることが多いのですが、話を聞いてみると、転職の理由は大きく2つに分けられるようです。
勤続2年以上の人の場合は、「待遇が良くない」、「仕事に飽きた」など報酬や仕事内容に対する不満が原因であることが多く、一方、勤続年数が短い人は、「仕事が多すぎる」、「上司とうまが合わない」、「プレッシャーが大きい」など環境的な理由で転職を希望する人が多いと感じます。
新入社員にとって、職場は初めて経験する厳しい環境のため、くじけそうになることもよくあります。そんなとき、ぐっとこらえたりせず、転職してしまうことが最も手軽な解決方法なのかもしれません。
こうした新しい職場に入ってもすぐに辞めてしまう人を、最近はやりの言葉で「職場快閃族(ジョブホッパー)」と呼びます。
ある人材バンクの調査によると、調査対象の会社員の59%が試用期間の3カ月を待たずに辞めており、しかも22.9%は入社わずか1週間で辞めているそうです。
同調査によると、「快閃族」となった人が挙げた不満要素としては、「職場環境」(35.9%)、「会社の制度」(32.9%)、および「給与と福利厚生」(32.3%)の3点が目立ちます。
会社に求める条件を男女別に見てみると、女性は「福利厚生の充実」、男性は「企業文化の高さ」と「業界の将来性」を重視しています。また、年齢別で見ると、若い人は「給与と福利厚生」を重視し、年齢を重ねるほど、「企業文化」と「業界の将来性」を重視する傾向があります。
嫌いな上司、好きな上司のタイプ
同調査はまた、会社員にとって最大の悩みは「職場環境」だと指摘しています。特に人間関係が最も大変で、上司との関係が悪い場合、そのことが離職の大きな原因になってしまいます。
ちなみに、どんなタイプの上司が社員に嫌われるのでしょうか。
調査で最悪となったのは「情緒不安定タイプ」(64.4%)で、2位は「問題点をはっきり言わず、ちくちく嫌みを言うタイプ」(58.7%)、3位は「あごで人を使うタイプ」(51.5%)でした。さらに、上司から聞きたくない言葉についての調査では、「それでどうした?」が最も多く、次いで「早くやれ」、そして「こんなやり方でいいと思っているのか?」という順番でした。
一方、どのような上司が部下に信頼され、歓迎されるかという調査では、仕事の進め方を懇切丁寧に教えてくれる「親切タイプ」(59.8%)が1位で、2位は部下に思う存分やらせてくれる「放任タイプ」(53.0%)、3位はどんな質問にも正確に答えてくれる「博学タイプ」(43.3%)、という結果でした。
EQを高めて人間関係改善へ
私の友達の中にも上司との関係がうまくいかず、「快閃族」になった人がいます。
彼らの言い分は、上司が自分のことを理解してくれない、いつも小さなことですぐ怒るといったことなのですが、私は彼らにコミュニケーションが足りず、お互い理解ができていないことにも原因があるのではないかと思います。しかし、コミュニケーションの問題はそれほど簡単に解決できるものではありません。上司も部下も互いに積極的に心を開き、向き合っていく努力が必要です。
職場の人間関係などで問題を抱えていると感じたとき、心の知能指数と言われるEQ(Emotional Quotient)を高めることを心掛けてみてはいかがでしょうか。EQが高まると、物事への接し方も変わり、職場の人間関係や仕事に対する意欲も次第に変わってくるのではないかと思います。
優しい上司を期待するよりも、まずは自分のEQを高める努力をしてみると、新たな視野が開けるかもしれませんね。(^3^)
ワイズコンサルティング 陳逸如