記事番号:T00117653
今回は、業務は自動化から自律化へ、のお話です。(2回目/全2回)
ロボット犬
まるで「生まれたての動物」、試行錯誤しながら歩行方法を自力で学ぶロボット犬の話です。
この犬型ロボット(四足歩行ロボット)は、始め仰向けで足をバタつかせていましたが、もがき続けること10分後には寝返りを打つことに成功。30分後には生まれたてのようにふらつきながらも歩き始めました。そして1時間後には確かな足取りで室内を誇らしげに歩き回るまでになりました。
このロボットは歩行方法を教えなくても、歩き方をゼロから自力で習得したのです。(出典:MIT Technology Review)
自動化と自律化
ロボット犬の話に例えますと「歩行方法を教える」のは自動化です、「自力で習得する」のは自律化といえます。
自動化と自律化は大きく異なります。
自動化は、作業設備に決まったルールや手法をプログラムで指示することで、指示されたことを自動的に遂行します。業務の効率は上がりますが、指示されたルール以外の事態が起きると対応できずに人手の介入が必要となります。
自律化では、作業設備が与えられたルールや手法と共に過去の行動を学習しながら自らの判断で遂行します。ルール以外の事態が起きても過去から学んで最適な処理を行うため、人手の介入を限りなく減らすことが出来ます。
パン作り
パン作りの例で説明します。
自動化は、パンを作るときに機械が教え込んだ通りの決まった作業を毎日自動でやってくれます。生地をこねる機械や、オーブンなどが、決められた流れで時間通りに作業をします。
機械が設定された通りに働くので人が全部やるより早くて便利です。でも、もし生地が膨らみすぎたり、焼きすぎたりしても、機械は決められた時間、動き続けてしまい、品質にバラつきが出ることがあります。
一方の自律化では、機械が自分で考えて状況に合わせてパンを作ります。今日は湿度が高く低温だから生地の水分量や発酵時間を調整したり、オーブンが焼き加減を見ながら温度調整したりと、自分で判断してくれます。さらに出来上がったパンの品質をチェックして学習へフィードバックします。
その日の天候や生地の状態、焼く数量が毎日違っても均一な品質のパンを作ります。こうなると、人がいなくても美味しいパンができるので、さらに便利です。
つまり、自動化は機械が決められた通りに動くこと、自律化は機械が自分で考えて動くことです。自律化により、更に効率化がはかられながらも職人技に近づくことが期待されています。
宇都宮武則
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