記事番号:T00118186
今回は、顧客対応の技術的進化、のお話です。(全2回)
■CX?
CXは「カスタマー・エクスペリエンス」の略語で、日本語では「顧客体験」を意味します。
企業がCX向上に力を入れている理由は、優れたCXは顧客満足度を高め、リピートや高評価な口コミ促進につながるからです。CXを戦略的に向上させることは顧客との長期的な関係を築くために不可欠とされています。
■顧客体験の多様化
その起源は、消費者心理に関する学術誌で1982年に発表された論文です。CXを「顧客が、企業と接点を持つときに体感する全てのイベント」と定義しています。
ビジネスで本格的にCXが語られるようになったのは、2000年代のスマートフォン普及がビジネスに大きな変革をもたらした頃からです。
スマートフォンの普及により、ECサイトやSNSをはじめとするインターネットサービスに顧客が容易にアクセスできるようになりました。
例えば、ネットショッピングでは店舗へ出向かなくても製品を確認して購入できたり、他社製品と簡単に比較できるようになりました。
これらによって顧客の生活スタイルや嗜好は多様化しました。
顧客が製品やサービスを購入するさい、提供側の企業とさまざまな接点を持ちます。製品のデザインや機能の確認はもちろん、購入する店での接客態度やウェブサイトでの対応状況、店の雰囲気、購入後のフォローなどです。
このような顧客の体験が全てCXの対象となります。
■CX向上の効果
・顧客満足度の向上
優れたCXを提供すれば、顧客が商品やサービスに満足してリピーターの獲得につながります。
・ブランドイメージの向上
顧客が商品やサービスの品質に限らず、接客やアフターケアの品質に良い体験をすると、そのブランドや店舗への忠誠心が生まれイメージアップにつながります。
・口コミによる宣伝
顧客は体験をSNSを通じて広めます。顧客が良い体験をすると知人に共有して口コミにより新規顧客を獲得する機会が増えます。
・クレームの減少
優れたCXでは、顧客ニーズを正確に理解して、それに応えることができるためクレームや返品の発生が減ります。
・競争優位性の確保
顧客への適格な情報発信や迅速丁寧な対応は、価格競争に巻き込まれることなく競合他社と差別化することができます。
これらの効果により、企業は売上の増加や収益率の向上が期待できます。
宇都宮武則
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