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経営のリカバリーショット Season2 2番ホール 多角化事業を収益化せよ


コラム 経営 作成日:2025年3月28日

経営のリカバリーショット Season2

経営のリカバリーショット Season2 2番ホール 多角化事業を収益化せよ

記事番号:T00120843

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本コラム執筆の目的

 ゴルフはリカバリーショットが大切だと言われますが、経営も同様です。 

 本コラムでは私自身が自社で経験した失敗とどう克服してきたのかを紹介してゆきます。

 皆様の経営のご参考になれば幸いです。

 

●2011年の状況と課題

 創業当時から行っていた事業は「リサーチ」「コンサルティング」「委託研修」の3事業でしたが、2003年に「労務顧問会員」、2004年に「セミナー」、そして2007年には「ワイズニュース」と、新たに3事業を立ち上げてきました。

 全社では数千万元の粗利益があったものの各事業のボリュームはいずれも小さく、どの事業も年間粗利は1千万元未満でした。

 ボリュームの小さな事業が数多く存在する状況なので事業効率が悪く、一年間一生懸命働いても、税前利益は僅かしか残らないという有様でした。

 お客様のニーズに合わせて事業は次々と増えていくものの、なかなか収益に結びつけられず、いわゆる「貧乏暇なし」状態だったのです>_<
  

●台湾で働く日本人男性事情

 台湾で働く日本人男性には、大きく分けて「駐在員」と「現地採用者」の2種類があり、この2タイプの間には、ビジネススキルにおいて天と地ほどの開きがあります。

 駐在員として働く人の多くは、日本で有名大学を卒業し、上場企業または未上場でも業界大手企業に就職をし、研修を受けながら順調に出世してきたエリートです。

 一方で現地採用者の多くは、日本社会にうまく適応できず、日本人に比較的やさしい台湾へ移ってきたという背景を持つ場合が少なくありません。

 人間性の良し悪しを論じているわけではありませんが、ビジネスパーソンとしてのスキルを比較すると、両者の間には確実に大きな差が存在します。

 私自身もかつて駐在員として台湾に赴任していましたが、当時の同僚駐在員と、わが社で採用できる日本人男性のスキル格差は常に頭の痛い問題でした。

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●クライアントからの相談

   弊社では毎月第三土曜日に「ワイズ杯」というゴルフコンペを開催しています。

 これは元来、我々ワイズ社員が始めたものではなく、弊社のお客様同士が自発的に集まって開催していたコンペでした。

 そのうち私にも複数の大口クライアントから「今年中にゴルフを始めなければ来年は依頼しない」と“脅されて”ゴルフを始めたという経緯があります(;^_^A

 ワイズ杯に参加して間もない頃、ゴルフ場の帰り道でクライアント企業の副総経理だった佐藤から「相談に乗ってほしい」と言われ、夜に会うことになりました…

 相談内容は驚きの「今の会社を辞めてワイズに転職したい」というものでした。

 私は「有名企業で出世街道を歩まれているなら、そのまま続けたほうがいい」「貴社の副総経理のような高額報酬はうちでは出せない」と説得しましたが、本人は全く応じる様子はありません。

 さらに「給料は吉本さんの言い値で構いません」と言われ、あえて低額を提示して断念させようとしたところ「蓄えがあるので、しばらくはそれで結構です」と言われ、採用が決まってしまったのです。

 こうして優秀な人材を採用できたのは喜ばしいことでしたが、佐藤本人にも私にも、短期間で成果を上げて給料を引き上げなければならないというプレッシャーが掛かることになりました。(当時は成果主義を徹底していたため、年齢や経歴を重視した採用は社内の理解を得られなかった。)

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●逆境からの出発

   佐藤は営業部門で、20歳近く年下の上司のもと“イチ営業担当”としてスタートしてもらうことになりました。

 有名上場企業の副総経理だった佐藤には屈辱的だったはずですが、ここを乗り越えなければ社内で認められないので私は祈る気持ちで見守っていました。

 また佐藤の前職はイメージが大切な業種でしたが、ワイズ入社後は一切の体面を気にせず、営業活動に邁進してくれました。

 そうした努力が実り、佐藤は僅か1年で粗利1千万元以上を生み出すサービスをゼロから2事業に育て上げるという誰もが納得する成果をあげました。

 社内で実力が認められた佐藤は、翌年は営業マネジャーとして組織をまとめ上げ、3事業の粗利を1千万元以上に押上げました。

 数年後には4事業が同水準を超えることになり、現在では5事業が1千万元を超えるほどに成長しています。

 事業ボリューム拡大により効率が向上し、利益が増大したことで社員の給料水準を上げることができました。

 また労働環境も大幅に改善することができました。

 佐藤の役職も→経理→協理→董事と順調にステップアップし、ビジネスパートナーとしての役割をますます大きくしています。

●その後…

 現在佐藤は「ワイズシステム」の総経理として「6つ目の粗利1千万元以上を生み出す事業」の育成に取り組んでいます。 

 ワイズシステムは2019年にワイズコンサルティングの1事業部からスピンオフさせた会社で、佐藤が担当するまでは小規模にもかかわらず年間成長率がぎりぎり二桁を維持する程度で伸び悩んでいました。

 2023年から佐藤が担当してからはコンスタントに年平均50%以上の成長を遂げており、年間粗利1千万元に到達する日も遠くはなさそうです♪
 

●今回の川柳

「脅されて、始めたゴルフが、ツキを呼ぶ」(やすし)

 

経営のリカバリーショット Season1

経営のリカバリーショット Season1 1番ホール 社員の独立

経営のリカバリーショット Season1 2番ホール 飲食業参入

経営のリカバリーショット Season1 3番ホール 飲食業撤退

経営のリカバリーショット Season1 4番ホール ITバブル崩壊

経営のリカバリーショット Season1 5番ホール SARSまん延

経営のリカバリーショット Season1 6番ホール 家内との別れ

経営のリカバリーショット Season1 7番ホール 投資失敗?

経営のリカバリーショット Season1 8番ホール 会社存続危機

経営のリカバリーショット Season1 9番ホール 悪魔のオフィス​

吉本康志

吉本康志

グループ代表兼ワイズコンサルティング社長

 1991年日本大手コンサルティングファーム駐在員として台湾駐在。1996年に起業、ワイズコンサルティングを設立~現在に至る。創業経営者として自社での実験を通して「必ず成果のあがるコンサルティングの探索」をライフワークに経営戦略、 人事労務、マーケティング戦略、IT活用等多様なコンサルティングで実績をあげている。(言語)日本語◎・中国語△

経営のリカバリーショットSeason2

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