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日本と台湾のビジネスに対する考え方の違い5


コラム 経営 台湾事情 作成日:2006年8月28日

台湾経営マニュアル 日台相違

日本と台湾のビジネスに対する考え方の違い5

記事番号:T00000152


「儲からないビジネスは、やらない」の真意

事例:某日系企業、営業会議の場面……

「總経理!それでは弊社は赤字で販売することになります。」

「安定供給を続けるのはメーカーの使命だ!皆が大変な時だからこそ、信用を売る事が大切だ。」 と日本人總経理が答えた。

それを聞いていた台湾人の営業本部長は「中国の諺に「殺頭生意有人做、賠本生意没人做」と言う諺があります。「人殺しという商売はする人がいても、損をする商売はやる人はいない」という意味です…」 これを聞いて總経理は次の言葉を失った…

●解説:

上の事例を見ると、営業本部長の話には「なるほど」と思う部分も有りますが、私はこの事例では日本人總経理の判断が正しいと思います。

我々日本人は中国に対する属国意識が抜けないせいか、「中国4千年の…」とか「中国の諺に…」という言葉に弱い傾向がある。

三国志等を読んで見るとわかるのですが、過去の中国の偉人達の問題解決方法はいつも「目先の損得に囚われず、戦略的に対処する」事です。

事例の諺に出てくる「損をする商売」とは、「長い目で見ても損をする商売」と言う意味ではないでしょうか?

誰が創った諺かは知らないのですが、戦略的に対処する中国の偉人が、目先の利益の事などをわざわざ諺にするわけはありません。

この諺の正しい引用は以下の様な事例に於いてではないでしょうか?

●台湾人、ワイン輸入業経営者の事例:

ワインを輸入している中小企業のA社があった。

台湾でワインブームになった頃、大手企業が次々にワイン輸入ビジネスに参入してきた。

一時的には大儲けしたA社であったが、大手の参入で市場は飽和状態となり、自社ワインの売れ行きが鈍ってきた。

大手に対抗すべくA社は無謀にも後先を考えず、大幅な値下げを行った。

しかし、直ぐに大手も追従したため、A社の販売量に変化は無く、A社はワインブームにもかかわらず、赤字になってしまっ た。

大手の参入にカッとなってしまったA社の経営者は「価格競争するなら受けて立つ。例え破産しても絶対負けない!」と、価格競争に真っ向から立ち向かった…

…1年後、経営者の決意通りA社は倒産し、経営者も破産した。 しかし経営者曰く、「経営には負けたが、価格競争には負けなかった…」
 
ワイズコンサルティング 吉本康志

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