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台風休業の処理


コラム 人事労務 台湾事情 作成日:2006年8月28日

台湾ビジネス情報局 台湾情報

台風休業の処理

記事番号:T00000172


2005年7月18日は台風5号(アジア名:海棠)の影響で休業された企業は多いと存じます。
そんな台風休業についてご紹介致します。

●事例:台風による休業

プルルルル夜の11時30分、台湾赴任3ヶ月目になる松木氏の自宅に電話があった。

「総経理、管理部の陳です。先ほど政府から発表があり、明日は桃園県の企業は台風の為休みだそうです。社内の連絡網を使い、私の方から連絡しておきます。」

「わかった。宜しく頼む」

と言って電話を切った松木氏はふと疑問に思った事があった。

次の日、松木氏は管理部の陳部長に「昨日の休業についてはどう処理するのか」と尋ねてみた。

陳部長の返答では「政府が休みと言っているので、会社は休まなくてはなりません。
会社が勝手に休業したのですから、従業員には通常通りの賃金を支給していますが、仕事が有り
出勤した社員には休日出勤の手当を支給しています。」との事であった。

松木氏赴任後、営業部のてこ入れにより業績が伸びており、工場はフル稼働を続け、納期に追われ
ている状況にある。

こんな時期に休業はしたくないのだが、なぜ、政府が民間企業の休業を決定できるのだろう?

また、政府の指示で休業したのに、なぜ賃金を支給しなくてはならないのだろうか?

●解説

県市政府が発表する「台風による勤務停止」は労働基準法第37条における「その他中央主務機関が休日として定めた日」ではありません。

労働基準法に「台風休暇」に関する定めがないうえ、台風の襲来は当事者双方に帰責事由があるわけではないため、労働者が天災で出勤できなかった場合,雇用者が欠勤した労働者に対し一日分の賃金を差し引くことは法律上問題ありません。

ただ,その労働者を無断欠勤として扱ったり,私用休暇または特別休暇(有給休暇)を以て充てるよう求めてはなりません。

台風休暇の際出勤した労働者への賃金給付及び振替休暇に関しては,労使双方が諸事業単位の事情を考慮したうえで、労働契約,就業規則又は団体協約の中に約定を盛り込むか、或いは慣例に従って扱う事が一般的です。

現地県市長が規定により決めた勤務停止の日とは、公営機構で働く人員の出勤を停止するものです。

事業単位は公営機構にならい休暇とすることも、出勤を維持することもできます。

但し,労働者が台風災害のため出勤できなかった場合は,前述の通り,雇用者はこれを無断欠勤と見なしたり,私用休暇若しくは特別休暇とするよう強制してはなりません。
 
ワイズコンサルティング 吉本康志

台湾ビジネス情報局台湾情報

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