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台湾の銀行にはご注意


コラム 台湾事情 作成日:2006年8月28日

台湾ビジネス情報局 台湾情報

台湾の銀行にはご注意

記事番号:T00000175


●洗銭防制法

中国語の「洗銭」とはどの様な意味だと思いますか?そうですね、「銭を洗う」ですから「資金洗浄=マネーロンダリング」の事です。

台湾には「洗銭防制法」という法律があり、「金融関係機関で顧客が100万元以上の取引をした際には、顧客の身元と取引を記録し、指定の機構に届け出しなくてはならない」と定められていま
す。

ですから、例えば銀行で100万元以上の入金或は出金をする際には、記録を取られますのでご注意して下さい。

●事例:情報漏洩

台湾公司は、10年前に日本の社が台湾の代理店のオーナー陳氏と合弁で設立した合弁会社である。

現在の資本比率は日本社側が99%、台湾側は陳氏個人が1%であった。

陳氏は台湾社の董事(取締役)に名を連ねていたが、業務からは既に引退していた。

台湾社二代目の総経理の手塚氏は、いつも「ある事」で困っていた。

「ある事」とは、台湾社の入出金が陳氏に筒抜けなのである。

日本本社から決済をもらっている予算でも、銀行取引を行うと次の日には董事である陳氏から「無駄遣いをしすぎる」とよく注意をされていた。

会計担当者達は手塚氏が赴任になってから全員入れ替えているし、信用のおけるもの達ばかりである。

不審に思った手塚氏は会計担当者に取引銀行を変更するよう指示した。

1日に99万元ずつ、二度にわたり新しい銀行に振込をしたところ、早速陳氏から連絡があり「なぜ、振込をしているのか?」と尋ねられた。

手塚氏は「利息が良いので新しい銀行に取引銀行を変える。本社にはもう許可をとってある。」と報告した。

陳氏は「そんな事は俺が許さない。198万元を速やかに元の口座に戻す様に!」と厳しく言ってきた。

手塚氏は、なぜ陳氏は銀行取引の内容を把握できるのかが不思議だった。

●解説

台湾では個人情報のみならず銀行取引の内容までも第三者に漏洩します。

上のケースでは陳氏と仲良くなった銀行員が、台湾社の取引内容を陳氏に逐次報告していたのです。

ですから、100万元未満だからと安心せずに、銀行取引には十分ご注意ください。

なんたって、総統の隠し口座の取引でさえ漏洩するのですから
 
ワイズコンサルティング 吉本康志

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