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第9回 「男は外、女も外」が常識


コラム 台湾事情 作成日:2010年6月22日

台湾人研究所 台湾研究

第9回 「男は外、女も外」が常識

記事番号:T00023516

 
 「男は外、女は内」という考え方はもう過去のもの!女性の社会進出は一般的という時代ですが、さて、これについての台湾の人々の考え方はどうでしょう?

 2010年5月に実施された波仕特線上市調網の調査によると、66%もの人が結婚後「お互いが話し合った上で、共働きするのはよい」と回答しています。続いて約18%の人が「共働きでないと生きていけない」と回答し、これについてはおおよそ生活面から共働きせざる得ないということだと思われますが、合わせて8割以上もの台湾人が結婚後の共働きに対して容認する意見を持っていることが分かりました。

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 続くランキングですが、「女性の方が男性より仕事能力が高い」がわずかに「家庭の責任は男性が負うべき」を上回っています。台湾では女性が働くこと当たり前という考えが持たれているようですね。ちなみに「男は外、女は内」の考え方に賛成なのは、台湾でも結婚して既に何十年もたっている年配の方に多いようで、やはり現代社会ではこうした考え方はあまり受け入れられていないようです。

女性の社会進出は日本より先進的

 一方、日本では面白い傾向が見られます。国立社会保障・人口問題研究所が10年5月末に発表した「第4回全国家庭動向調査」によると「男は外、女は内」の考え方について45%もの既婚女性が賛成と、5年前の前回調査より4ポイントほど割合が増加したことが分かっています。日本の数値は既婚女性に調査対象を限定しているため高めの数値となっていますが、対象の違いを考慮しても台湾人の方が女性の社会進出について積極的な考えを持っているように思われます。

 さらに国連開発計画(UNEP)の07年報告書によると、台湾のジェンダーエンパワーメント指数(GEM)は世界22位と日本の58位を大きく上回っています。ジェンダーエンパワーメント指数とは女性の国会議員の比率、管理職、専門職に就いている比率、所得などを考慮して女性の政治・経済活動における機会を数値として算出したもので、つまり指数が高いほど女性が活躍できる機会が多いということです。欧州各国が上位を占める中、台湾はアジアの中で上位に位置し、女性が社会で活躍できる国だということを示しています。

 ただ、女性の社会進出の機会は多いようですが待遇の面ではまだ男性より低いようです。在台日系企業についてのデータですが、先日弊社で実施した給与調査においても男性の役職付きの割合は女性より多く、昇進のチャンスは男性の方が多いように思われました。また、月額経常性給与においても役職は同じでも男女間で1万~2万元程度の差が見られます。

 しかし待遇に差はあれど、台湾では仕事に対して男女平等の意識が高いということは働く女性にとっては喜ばしいものです。そういえば弊社もパワフルな女性社員が多く、男性は少し肩身の狭い思いをしているような気がします…。

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