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第24回 願いを載せて天に舞う灯火


コラム 台湾事情 作成日:2011年3月7日

台湾人研究所

第24回 願いを載せて天に舞う灯火

記事番号:T00028578

 台湾では、春節(旧正月)後に天灯節というイベントがあります。竹と画仙紙(がせんし)で作った灯篭に、かなえたい願い事を書いて空に飛ばすもので、最も有名な新北市平渓区でのものには毎年何万人もの観光客が集まります。 


願い事を書いた天灯(筆者撮影)

昔は安全情報伝達用

 平渓は台北盆地の郊外の山中にあります。昔から交通が不便で行政の管理が行き届かなったため、よく盗賊が出没していました。昔、村の人たちは春節に農作物を収穫した後、盗賊を避けるために山の奥に隠れ、春節が終わってから、若者が村の様子を見に行って山賊がいないかどうか確認していました。そして、安全だと判断したら、そのメッセージを知らせるために天灯を飛ばしていました。当時の習慣が、家内安全を祈願するという形に変えて今に伝わっているのが天灯飛ばしのイベントです。盗賊に襲われることのない現代の台湾人は、どんなお願いをするのでしょうか。

「お金持ち」が2位に

 iPeen愛評網が今年2月9日〜17日に行った「天灯にどんな願い事をするのか?」との調査では、「家内安全」と「お金持ちになる」がそれぞれ1位と2位になりました。家内安全を祈願するのは当然ですが、「お金持ちになる」というような露骨な願い事をするのは日本人にとっては不思議なことだと思います。その背景には、日本人の生活が昔から台湾人より裕福で、お金に対する欲望が少ないからかもしれないと思います。

 しかも、台湾ではこういう願いは絶対に大きく書かなければなりません。台湾人の友人いわく、「神様はたくさんの天灯を見るでしょう?目立つようにした方が神様は見やすいに決まってる!」とのこと。この話に私の日本人同僚は大笑いでした。サッパリしているというか、あけすけな台湾人の性格がよく出ていますね。

かなわなくても楽しい

 実は私も毎年天灯を飛ばしに行っています。しかし今年は「超可愛い彼女ができますように」と書いたのを、誤って空に飛ばす前に燃やしてしまって、「邪念が多すぎたからだ!」と友人にツッコまれました。かなうかどうかは別として、友人や家族と一緒に「幸せになりたい」という願いを書くこと自体が一つの幸せではないかと思います(でもやはり金持ちになりたいですね)。

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