物語で学ぶ台湾の会社法3


コラム 経営 台湾事情 2007年1月5日

台湾経営マニュアル 台湾の会社法

物語で学ぶ台湾の会社法3

記事番号:T00000821


● 貸付金について

台湾では取引先との関係で、企業同士で短期的に融資したり、貸し付けたりする事があります。

特に親しい取引先に行號(小規模組合或は個人営業等の小さな商売)が有る場合は、貸付を要求される可能性があります。

ここで貸付を拒否しても構いませんが、それと引き換えに「売掛金が貸し倒れてしまう」「事情を理解しサービスを提供してくれるところを失う」等の少なからず被害に合うことになります。

そのため、「小額なら…」と貸付に応じる場合が有るのです。


● 事例:従業員への貸付金

ここは日系企業F社の総経理室。

総経理の金沢氏がF社営業部長の許氏から相談を受けていた。

許 氏:「…と言う訳で保証人にされてしまい、その結果、借金を肩代わりする事になってしまいました。」

金沢氏:「それはお気の毒に…」

許 氏:「現在は昨年購入したマイホームのローンが有るので、銀行からは追加の借金が難しい状況なのです。」

金沢氏:「それで私に何を…」

許 氏:「総経理にお金を貸して下さいとは言いません。今年のボーナスは全て保証人の返済にまわしますので、会社から一時的にお金を借りられないかと思いまして…」

金沢氏:「そうだな、うちでは行號との取引が多く、度々貸付に応じているのだから、たぶん大丈夫だろう。そのかわり、ボーナスで全額返済するのだぞ!」

許 氏:「ありがとうございます。このご恩は一生忘れません!」


● 解説

会社法(公司法)の第15条に「会社の資金は、株主又はいかなる第三者にも貸し付けることはできない。」と記載があります。

また同じく第15条の最後には「会社責任者が前項の規定に違反した場合、被融資者と連帯して返還責任を負わなければならず、また、これにより会社が損害を受けた場合、その損害賠償責任を負わなければならない。」とあります。

よって、厳密に言えば、この場合は金沢氏と許氏の二人に返済責任が生じてしまいます。

また、万が一許氏が行方不明になる等の際には金沢氏一人が返済責任を追う事になるのです。

ちなみに、取引関係のある業者への貸付は例外措置として認められています。 
ワイズコンサルティング 吉本康志

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