ワイズコンサルティング・グループ

記事番号：T00100379

＜登場人物＞
ワイズシステム副総経理　宇都宮武則
本コラムの筆者です。

台湾Ｓ電工　山田新一総経理
1978年千葉県生まれ、上場企業Ｓ電工の営業企画課長から2018年に台湾Ｓ電工の総経理として初めての海外駐在。

台湾Ｅ科技　高代董事長
18年に株式会社Ｅ電材の東京営業所長から董事長兼総経理として赴任。山田総経理とはワイズ経営塾新任編で知り合う。

　業務のシステム化で懸念されることの一つに、業務をシステムに合わせなければならない点があります。kintone（キントーン）を使えば業務に合わせた使いやすいシステムが作れます。kintoneでデジタル化を促進しませんか？

前回までのお話
https://www.ys-consulting.com.tw/column/l/2189/

アプリで製品管理

　高代董事長の２つ目の悩み「案件の進捗（しんちょく）が把握できない」を検討しているところです。

　山田総経理が実際に自社で運用しているkintoneの案件管理を説明しています。大型モニターには「顧客管理アプリ」が映し出されています。（図Ａ）

図Ａ　顧客管理アプリの製品納品情報

山田：では次に「製品納品情報」をご覧ください。顧客へ納品された設備の情報となります。ここでは「自動搬送機ＪＨ2020　温度センサーＤＳ26付属」と書かれています。

高代：はい、そうですね。

山田：ですが実際に納品されたのは、ＪＨ2020本体とオプションのＤＳ26なのです。

　そう話しながら左端をクリックして「納品情報アプリ」へ移動しました。（図Ｂ）

図Ｂ　納品情報アプリ

山田：このようにクリックすれば詳細情報を見られます。こちらへ納品した設備は「自動搬送機ＪＨ2020」です。そしてオプションとして「温度センサーＤＳ26」が付属しているのが分かります。オプションは顧客の仕様によって変わります。

高代：何をいつ納品したのか一目瞭然ですね。

山田：納品情報は設備の定期メンテナンスや消耗品の交換などに役立ちます。

高代：すごいな。顧客情報から全てが見通せます。

　山田総経理は自分の手で作ったシステムが褒められるのは、愛娘が褒められるのと同じような良い気分でした。

山田：そして最後の情報は「保守メンテナンス情報」です。先ほども申しました通り設備の定期保守を行っています。また、予期せぬトラブルもあるものです。

高代：はい。

山田：その記録もしております。

　左端をクリックして「保守メンテナンス情報アプリ」へ移動しました。

　高代董事長は大型モニターにくぎ付けです。（図Ｃ）

図Ｃ　保守メンテナンス情報アプリ

山田：保守対象の設備と保守内容のほかに、保守で使われた部材を記録しています。

高代：これは、先ほどの活動履歴同様に保守スタッフの方がスマホから登録しているのでしょうか？

山田：さようです。このように顧客と納入設備に関するさまざまな情報を登録することでナレッジの蓄積になっています。

高代：ナレッジですか。

山田：はい、大きなメリットはトラブル発生時に過去の履歴に同様なケースがなかったか？すぐに検索することができるようになったことです。すると原因と何を準備すればよいかが予測できるようになり、修理時間の大きな短縮につながりました。

高代：やはりすごい。

山田：ですが、初めから全ての機能をそろえられたわけではありません。３つの機能から始めて徐々に付け加えていったのです。そのような拡張性もkintoneの良いところなのです。

　高代董事長はしきりに感心していました。

　しばらく腕組みをして天井に目を向けて考えを巡らせると。

高代：それでは、これをください！

　決断が早いところが高代董事長の長所なのです。

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