コラム

記事番号:T00000123
2006年8月28日0:00

● コンサルタントは何をしてくれるのか?

「君の勤める会社の従業員は何人いる? うちより小さな会社しか経営できていないのに、私に経営を教えられるのか?」

駐在員としてコンサルティングファーム勤めていた頃、台湾の中堅企業経営者から頂いた質問です。

お恥ずかしい話ですが、当時は「なるほど、もっともな意見だ」と明確な回答はできませんでした。

経営コンサルタントとして独立・起業を決めた時に、真っ先に考えたのは上の質問に対する自分が納得できる答えでした。

一般的にコンサルタントはクライアントから「先生」(~さんの意味ではなく、中国語では「老師」の意味)と呼ばれます。

「先生」とは教える人の事であり、教える人は教わる人より教える事について巧くできるのは当たり前です。

そうすると、上の質問に対する明確な答えが見つからなくなります。

自分でも納得できないサービスを提供するビジネスはうまく行く訳はありません。

悩んだ末に見つけ出した答えが「経営コンサルティングは経営企画室のアウトソーシング」というコンセプトでした。

これなら優秀な経営企画室の室長が優秀な社長になれるかどうかは全く別問題になります。

社会が複雑化し専門化している現在、経営に「これがベスト」という答えはありません。

しかも業界の事は業界関係者が一番よくわかっていますし、企業の事はその企業で働く社員が一番よくわかっています。

また、経営とは芸術と同じであり、完全な答えはなく、教わったからといってできるものでもありません。

私達コンサルタントにできるのは経営者に経営を教える事ではなく、経営者が取り組もうとしている経営課題を解決するお手伝いをする事なのです。

このコンセプトを目指して努力してきたせいか、弊社のクライアントの皆様には私の事を「吉本先生」とは呼ばれず「吉本さん」と呼んで頂いております。

● 事例1「コンサルタントの仕事?」

取引の全くなかったN社の沢井総経理に呼ばれて訪問したときの事…

沢井総経理:「貴社とコンサルティング契約を結びたい。報酬は貴社が我が社の代わりに受注した時に○%を報酬として支払う形でどうだろう?」

私:「それって、コンサルティングではなく、ブローカー…」

●今回の一言

コンサルティングはヘッドワーク(知的労働の意味)であり、ハードワーク(肉体労働の意味)ではない。
 
ワイズコンサルティング 吉本康志