コラム

記事番号:T00000122
2006年8月28日0:00

本連載でも何度かご紹介しています様に、私は日本のコンサルティングファームの駐在員として14年前に台湾に赴任してきました。

8年前に起業する時には「経営コンサルティング業で起業するのだけはやめよう」と固く心に決めていましたが、試行錯誤を重ねたあげく「経験のあるビジネスの周辺でなければビジネスは上手くいきにくい」事を悟り、現在の業務内容になりました。

なぜ経営コンサルティング業を敬遠していたかと言いますと、コンサルティングファームの駐在員として6年間台湾駐在を経験し「この国ではコンサルティングサービスは成り立たない」と身にしみていたからです。

皆様もご存知の通り、台湾では「見えない物にはお金を払わない」という考えが強くあり、「空気を売っている」ようなコンサルティングビジネスは成り立ちにくい環境にあります。

また、日系企業を専門にコンサルティングしようとしても以下の問題点がありました。

1.コンサルタントは何が出来るのかご存じない方が多かった

 ● 会計士或は弁護士と経営コンサルタントの区別ができない

 ● 経済誌以外のメディアで見るコンサルタントの多くは悪人であり、信用できない

 ● 日本では経営職でなかったので、コンサルタントを活用した経験が無い

 ● コンサルティングフィーの相場をご存じなく、依頼は頂いたが契約にならない


2. 経営意欲(事業意欲)の低い方が多かった

 ● 台湾総経理(董事長)は、サラリーマンとして上がりのポジションの場合が多かった

 ● 日本では管理職だったため、管理と経営の差が理解できない

 ● 台湾は市場規模が小さいため、本社も台湾法人の業績にあまり期待していない

 ● 台湾では右肩上がりの成長が続いていたので、経営を意識しなくとも会社は儲かっていた

資金、ブランド、人材のうち一つでもあればもっとやり方はあったのでしょうが、コンサルティング会社で働いていましたのでコンサルタントとしてのノウハウは多少あったものの、全くゼロからのスタートでしたので、苦労話はつきません。

例えば、産業スパイもどきの依頼や探偵の依頼等もやりましたし、社員と1週間かかって行った調査報告書の金額が現在の1時間当りの報酬より少なかった事もありました。

この様な極悪の環境下でもなんとか事業を続け、少しながらでも成長し続けてこれたのも、取引先、社員、そして何よりも私と会社を育てて頂いたクライアントの皆様のお陰と感謝しております。
 
ワイズコンサルティング 吉本康志