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● 台湾のマーケティングの特徴3「営業マン」
企業向け製品やサービスを販売する場合、マーケティング活動の中で営業マンの重要性が高くなります。
今回は私がコンサルティングをしている中で見かけた営業マン達をご紹介致します。
● 責任制とはいうけれど
A社の蔡課長は某材料を販売する勤続15年のベテラン営業マンです。
彼の一日の営業活動は次の通り。
9:00~10:00 会社で電話(顧客だけではない)
10:00~12:00 証券会社(株の売買)
12:00~13:00 食事&移動
13:00~14:00 B社営業訪問(1件)
14:00~15:00 移動
15:00~19:00 C社の社長と麻雀
19:30 直帰(2時間分残業)
ちなみに、C社は営業してもしなくとも売上は変わらない会社で、社長とは長年の麻雀友達です。
蔡課長は毎日この様な営業活動を続けており、15:00に家へ帰っていることもしばしばあるのですが、それでも営業成績は社内No.1を維持し、毎月多くの報奨金を貰っています。
そのカラクリは、過去に辞めていった上司・同僚・部下の優良顧客を引き継ぎ、手間暇のかかる顧客は全て部下に割り振っているのです。
<解説>
在台日系企業には蔡課長のような営業マンは非常に多く存在します。
特に社歴の長い人や役職が高い人に多い傾向にあります。
貴方の会社にも蔡課長はいませんか?
● 営業開始前に売上を上げる販売員
某百貨店のコンサルティングをしている時、妙な事に気がつきました。
POSデーターを見ると、あるテナントだけ、ほぼ毎日営業開始前の時間から売上が上がっているのです。
コンサルティングには関係ありませんでしたが、興味があり、そのテナント(化粧品)の販売員(女性)を訪ねてみました。
理由を聞いて驚いたのは、その販売員は出勤途中に(営業時間前)、自社の商品を売ってきているのでした。
まず彼女は必ずタクシーで出勤し、自宅から百貨店に着くまでに運転手に「奥さんへのプレゼント」という提案で販売します。
もちろん、退勤時にも同じように販売しています。
毎日タクシー代以上の報奨金を売り上げるので、彼女は絶対公共の交通機関は使わないのです。
次に彼女は朝食を食べる(買う)店を毎日変えています。
ローテーションで色々な店に立ち寄り、店員達に化粧品を販売しているのです。
彼女のやり方を会社が認めているかどうかはわかりませんが、私個人としては賞賛に値する販売員と感じました。
● 台湾で勝つ為のマーケティング心得
「業績の良い営業マンが努力しているとは限らない」
ワイズコンサルティング 吉本康志