記事番号:T00000157
● 台湾のマーケティングの特徴2「ブランド」
日本人は欧米人に比べブランド崇拝の傾向にあると言われますが、台湾人はそれにも増してブランドが好きです。
ただし、ブランドの歴史や品質・価値等を理解している人は少なく、人に褒められるブランドでなければ意味が無ありません。
従って「所有したとき、他の人が高級品とわかる」ブランド以外のブランドは全く価値がありません。
●ベンツ
A社の許社長(仮名)は、若い頃は学歴もお金も無く裸一貫からのスタートで成功した人です。
若い頃ある建設会社に入社したのをきっかけに、持ち前のバイタリティーとサービス精神で努力した結果、多くの人脈に支持されて30代で自分の会社を設立する事になりました。
許社長は向上心旺盛で、海外の同業界の視察の為、頻繁に海外へ出かけていました。
許社長は若いせいか何でも吸収するのが早く、海外で見聞きした事をどんどん台湾に応用してきただけでなく、海外の生活様式やセンス、考え方等も吸収し、公私ともに学んできました。
40歳位の頃、ブリティッシュグリーンのジャガーを購入し、丁度その頃私も同乗させて頂きました。
「何故ベンツやBMWにしなかったのですか?」と訊ねると、「ジャガーの優雅なスタイルが好きなのですよ。」と趣味の良くなった許社長らしい答えを頂きました。
「ほ~、台湾にもこの様な人が出て来たのだな~」と感心したのですが、10年後お会いした時には車庫にジャガーはありませんでした。
「ジャガーは尻すぼみで縁起が悪いので、ベンツに乗り換えました。やっぱりベンツですね!皆が私を見る目が変わりましたよ。ワッハッハ!」
私「……」
● バーバリー
私の家内の妹は、20歳の頃から知っていますが、ごく典型的な台湾人の女性でした。
家内と結婚する前から、彼女を見ていたり話を聞いたりすると「台湾の今の流行りが分かる」「消費者の好みがわかる」という絶好のリサーチ対象だったのです。
その彼女が最近リサーチ対象として全く使えなくなってしまいました。
きっかけは、彼女は知らずにバーバリーのコピーのハンドバックを買ったことです。
友達達に「それってバーバリーでしょ。すごい高いのよね。私もほしいわ~」と言われてブランドと言うものに気づいてしまったのです。
それまで平均的な質素な暮らしをしていた彼女は、香水から服装に至るまで全てがバーバリーになってしまいました…
● 台湾で勝つ為のマーケティング心得
「有名ブランド以外は意味が無い」
「日本で有名になっているブランドが台湾で成功するとは限らない」
ワイズコンサルティング 吉本康志