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6月といえば、台湾では卒業シーズンです。今年は世界的な不況で企業の新規採用が軒並み減少、厳しい就職活動戦線になるといわれています。そんな中、卒業後もすぐに就職せず、景気が回復するまで経験を積んでから働こうと考える人が増えています。そこで注目されているのが、「ワーキングホリデー」です。
ワーキングホリデーとは、2国間の協定に基づいて、18~30歳の青年が相手国の異なる文化の中で休暇を楽しみながら滞在資金を補うため就労することを認めるという制度です。現在、台湾とワーキングホリデー査証(ビザ)制度の協定を結んでいる国はオーストラリア、ニュージーランド、そして新たに加わったばかりの日本です。
豪州ワーホリ、今年3割成長も
オーストラリア当局によると、ワーキングホリデー利用者はここ3年増加しており、2007年7月~08年6月の1年間で申請が認められたケースは6,100件余りに上ったそうです。就職難の深刻化から、今年は少なくともさらに3割以上成長すると予測されています。
リストラでリフレッシュ求めて
日本の対台湾窓口機関、財団法人交流協会は今年6月1日から、日台間ワーキングホリデーの査証申請受付を開始しました。「初日は午前だけで約200人の若者が行列を作る盛況となった」とワイズニュースは報じています。
交流協会によると、申請者には大学や大学院を今年卒業する人や、OLが特に目立ったといいます。私の知り合いも申請しました。彼女は今年3月、これまで5年間働いてきた日系企業を解雇され、それ以来仕事に就いていません。ワーキングホリデーを申請したのは、「リフレッシュしたいから」と言っていました。
目的を見極めてチャレンジ!
語学を勉強している誰もが一度は、その言語が話されている国に行って、そこでの生活を体験してみたいと考えることでしょう。今回、日本でのワーキングホリデーが可能となったことは、日本語を勉強している人、さらには日本語を勉強してみたい人にとっても朗報ではないでしょうか。
また、海外で仕事をすることは、そうそう体験できることではありません。若いうちにさまざまな経験をして、将来プラスにできるエネルギーを蓄えることは大事なことだと思います。
一方、ただ現実社会から逃げ出すため、とりあえず海外へ留学してから将来を考えようと、目的なく海外留学やワーキングホリデーを申請するのは、単なる時間の無駄遣いになる恐れがあると、ある台湾の財閥社長は指摘しています。
とはいっても、この不況下、本格的な卒業シーズン到来で、ワーキングホリデー申請者がどんどん増えていくのではないでしょうか...(○_○’’)
ワイズコンサルティング 陳逸如