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第9回 インターンシップ


コラム 人事労務 作成日:2009年7月13日

こっそり予習、管理部門の豆知識 総務・会計

第9回 インターンシップ

記事番号:T00016543

 
 卒業シーズン直後のこの時期、不況で雇用が縮小する中、「卒業イコール失業」という状況に直面する新卒者は少なくありません。少しでも人件費を抑えたい企業にとっては即戦力の人材こそ歓迎で、社会経験のない新卒者に対し高いハードルを設けてしまうのが最近の傾向のようです。

 しかし、企業には優秀な若手を見いだし、主力を担わせる人材に育てるニーズもあります。そうした企業にとって、インターンシップの実習生を受け入れて能力と適性を見極めることは一つの有効な手段でしょう。政府の大学・専科学校卒業者向けの就業促進対策「大専卒業者企業職場実習方案」を利用すれば、実習生の月給として補助金2万2,000台湾元(約6万3,000円)、および労働保険、健康保険料を最高で4,190元受け取ることができます。2007年~09年の2年間に台湾の大学・専科学校を卒業した台湾国籍者を1年間インターンシップ生として受け入れることが条件です。

毎月2万6千元の補助金

 政府は今年4月から来年9月末まで、3万3,500人のインターンシップ実現を想定して、予算115億元を投入します。月給3万元の実習生の場合、政府負担の2万2,000元を差し引けば、企業の実際の給与負担額は8,000元となります。なお、実習生の受け入れ定員は、労働保険加入者が10人以上の会社は全従業員数の30%以内、10人以下の会社は2人です。

 以下、企業が実習生受け入れを申請する際の手続きについてご説明します。

<Step1:申請資格の確認>

 まず、以下の条件を満たしている必要があります。

・会社法または商業登記法規に基づき、会社登記をしていること。
・最近1年の営利事業所得税決算書を提示して、納税を証明をできること。
・最近3カ月以内に懲戒解雇以外の理由で社員を解雇していないか、労働保険記録で証明できること。
・組織制度/安全衛生/同計画への取組などを自己評価し、70点以上クリアしていること。

<Step2:企業登録>

 申請資格を満たしている企業は、教育部( https://www.yes123.com.tw/admin/sp_job_study/sp_job_study_note04.asp ) または龍華科技大学 ( http://www.lhu.edu.tw/ ) のホームページの「培育優質人力促進就業計画資訊網」で自社を登録します。

<Step3:学校審査>

 今年9月30日までに、大学・専科学校に受け入れの申込みをします。各学校によって申請書が決まっていたり、提出する書類が異なるので、詳しくは申請対象の学校にお問い合わせ下さい。提出する書類は、起業時の登記完了証明書(例えば、営利事業登記書)、営利事業所得税決算書、労働保険記録、事業計画などです。また、余裕をもって7月末までに申請したほうがよいでしょう。審査結果は、教育部或は各学校のホームページで確認することができます。

<Step4:契約>

 審査をパスした企業は採用面接を行い、雇用契約をする際に学校および実習生と契約書を交わします。

<Step5:実習期間中>

 企業は実習状況を学校側に定期的に報告しなければなりません。実習生の給与は企業が先に立替え、学校側に申請します。各学校によって支払日は異なりますが、2週間以内には企業へ支払われます。また、実習生の所得に関する源泉徴収書の作成は企業が行います。なお、労工退職金条例第12条による規定では、実習生であっても契約期間内に解雇する場合は、退職金を支払わなければなりませんのでご留意ください。
 
 厳しい不況ではありますが、しっかりとした人生計画や夢を持った若者に社会経験を積む機会を与えて、そのことが企業と本人にとってダブルウインとなれば言うことはありません。結果的に機会を与えただけとなっても、次世代を担う若者に仕事や企業の仕組みを教えて、社会人としての自覚を育てることの意義は大きいと思います。


ワイズコンサルティング 佐々木緑

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