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旧暦の7月は鬼月(クィユェ)と呼ばれる縁起の悪い月です。鬼は日本で言う鬼ではなく、霊や幽霊のことを意味します。台湾では旧暦の7月1日にあの世のすべての門が開き、祖先の霊だけでなく、悪い霊もこの世に舞い戻ってきてうろつき回るとされていることから、旧暦7月の1カ月を「鬼月」と呼びます。
今年の旧暦7月1日(鬼門開)は新暦の8月20日に当たり、デパートの開店の時にように、開かれた門からワーッと鬼たちが押し寄せてくるわけです。「鬼子」や「鬼」と直接言うことを避けるため、「好兄弟(よい兄弟)」と呼んだりすることもあります。この時期、各地の寺廟はもちろん、家庭や店先、会社の前でも読経をしたり、さまざまなお供え物をしたりして供養を行います。
鬼月の間、現世にあふれ出した悪い霊は、人間を霊界に連れ込もうといろいろと悪さをするといわれています。悪い霊がついてくるので、新しいことを始めてもうまくいかないと信じられており、大きな買い物(車や家)、結婚式、開業、開店、転職、引っ越しなどは控えられます。ちょうど夏休みで日本なら旅行のハイシーズンになるこの時期も、台湾では鬼月に入ったとたん台湾域内・海外旅行料金が一気に値下がります。
メーンイベントは中元普渡
鬼月の時期、現世に戻って来る「好兄弟」をもてなし慰めるために、「拝拝」と呼ばれる礼拝を行います。特に盛大に拝拝が行われる中元節(仏教の盂蘭盆)の旧暦7月15日を「中元普渡」と呼びます。中元普渡が近づくと、スーパーや市場は中元節セールを行って、お供え物コーナーを設けます。「金紙」と呼ばれるあの世で使えるお金を模した紙や、お線香などのセットも売り出されます。
中元普渡の当日は、先祖と神様を拝むのは午前、好兄弟を拝むのは午後と決まっていて、午後になると台湾人の家庭は軒先がにぎわってきます。
中元普渡の拝拝は会社でも行われ、会社の順調な発展をお祈りします。拝拝用の四角いテーブルが用意され、その上に設けられた祭壇に大量のお供え物(カップラーメン、菓子、缶詰、ジュースなど)や料理(ご飯、肉、魚、卵、スープなど)、果物などが並べられます。そして、社員一同長いお線香を持って祭壇を拝み、お線香をすべてのお供え物にブスッブスッと刺していきます。好兄弟たちが食事を済ませるのを1時間ほど待ってから、金紙を燃やします。
会社での拝拝を「公普(公司普渡)」と呼び、行事として取り決めている企業も多くあります。昨年は台北101ビルでも中元普渡の行事が行われ、入居企業が軒並み参加して、さまざまなお供え物を供えたり、金紙を燃やしたりしました。
鬼月の1カ月間、好兄弟たちはたらふく食べて、元気にこの世をさまよい続けるに違いありません。台湾の鬼は幸せかも!?と思う一方で、わたしは遅くまで残業してウロウロしている悪霊に出会わないよう、なるべく毎日定時に退社しようと思っています。(^_^)v
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