コラム

記事番号:T00047598
2013年12月16日15:51

●ワイズの経営手法は面白い♪

 弊社(ワイズ)では毎月の第2・第4土曜日には1日出勤で全社会議を行っています。

 内容は午前中は業績の分析発表と私のコメント、午後は皆から経営課題を募り、グループ討議を行い課題解決を図っています。

 つまり「業績の分析結果から将来をどう読み取るかを教え、経営課題を発見させ、それを解決する方法を考える」という経営の一端を社員に経験させているのです。

 ワイズの経営を通してコンサルタントに必要な経営感覚を養うとともに、5〜6テーマの経営課題が1日で解決できるのです。

 ワイズの経営は私1人で行っているのではなく、全社員で経営しているのです。

 ゲームでもスポーツでも同じですが、観戦している人より、実際にやっている人の方が面白いものです。

 今回は先週の土曜日に行いました全社会議の内容から経営の面白さをご紹介致します。

●目標設定の楽しみ♪

 今年ワイズグループは前年比23%の成長となる見込みです。

 中長期計画では、今年の成長率は40%でしたので大幅な未達成になりました。そこで来年は今年の分を挽回することも考慮し、40%の成長目標を設定しました。

 この時、目標が実現できた状態をできるだけリアルに強くイメージしてみます。社員は少なくとも4〜5割増加しなければならないので、オフィスの引っ越しが必要です。

 また、目標達成時にはボーナスや昇給をどれぐらいできるか…などです。

 目標はリアルにイメージすればするほど達成したくなりますし、そのイメージを組織に伝えることで共有できます。

 次にそれを実現する手段(戦略)を考え出す必要があります。

 毎年成長ステージに合わせて、いろいろな手法で分析するのですが、今回はもう一度自社の強みを見つけ出すところから考えてみました。

●来年の戦略策定の醍醐味

 自社のコア・コンピタンス(核心的な強み)を分析してみたところ、「各事業間の相乗効果」だということが明らかになりました。

 これを見た時、2011年12月12日の日経ビジネスで掲載されていた統一企業(ユニプレジデント)集団の高清愿董事長(当時)への編集長インタビューを思い出しました。

 その記事は「台湾は市場規模が小さいので1つの事業だけでは大きくなれない。相乗効果のある事業をいくつも展開する必要がある」というような内容でした。

 日本企業&台湾ビジネスというビジネスドメイン(企業の生存領域)で事業を展開している弊社で考えると、さらに各ビジネスの規模が小さくなります。

 つまり各ビジネス間でより強い相乗効果が求められることになるのです。

 そこでプロジェクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)というフレームワークを応用して事業間の相乗効果を分析してみました(図参照)。

 上図における各事業を結ぶ線の太さは相乗効果の高さを表しています。

 担当グループが分析してきたこのチャートを見て、私の創業以来の経営努力がこの図1枚で説明できると思いました。

 私が創業以来してきた経営努力は以下の4つに集約できます。

 ①事業を創る

 ②他の事業と相乗効果のある線を結ぶ

 ③相乗効果のある線を太くする

 ④別の事業と新たな線を結ぶ

 来年の成長戦略づくりを担当したグループの提案は次の通りです。

1.PPMの定石通り、金のなる木で創出した経営資源を問題児(リサーチ事業)に集中投資する。

2.リサーチ事業の事業規模が大きくなれば関連性の高いコンサルティング事業とニュース事業が相乗効果で成長する。

 会議では担当グループの提案を受け入れ、来年は新規事業を立ち上げず、経営資源をリサーチ事業に集中投資することにしました。

 次のステップは全社的経営資源が使えるようになったリサーチ事業の成長に向け、どういう事業戦略を描くかということになります。

 今回来期の戦略立案を担当したグループの分析と報告は、過去において本能的に気付いてやってきたことが、科学的に実証されたことになりました。本能的な感覚では迷いがあり、アクセルを全開にはできませんが、科学的に実証されたので迷いはありません。

 この戦略を立案してくれた社員の成長と、わが社が来年目指すものが明確になり、二重の喜びとなった1日でした。 

吉本康志

吉本康志

Executive Consultant

日本の大手コンサルティングファームの駐在員として台湾駐在、1996年11月にワイズコンサルティングを設立。経営者としてコンサルタントとして男としてもまだまだ成長中。