ワイズコンサルティング・グループ

記事番号：T00048808

　皆さまはよく「小黄」を使いますよね？小黄は台湾ではタクシー（計程車）の別称です。車体が黄色だからです。

　日本統治時代から台湾の街ではタクシーが走っていましたが、当時はタクシーの車体色に取り決めがありませんでした。当局も管理が大変で、市民からも「どの車がタクシーか分からない」との声が上がり、1991年よりタクシーは台湾区塗料工業同業公会の色番号18の黄色で統一されました。そしてここ数年で「小黄」という別称が定着したのです。

サービスが多様化

　タクシー業界の競争激化により、交通手段としてだけではなく、サービス面でも各社が差別化を図った結果、さまざまなサービスが生まれました。

　例えば決済方法です。現金のほかに悠遊カード（イージーカード）やクレジットカードでも支払い可能となりました。

　また、多様化した顧客ニーズに対応すべく、以下のようなサービスを提供する会社も出てきました。

・観光タクシー

　行ったことがない国や場所を訪れるとき、道に不慣れなためまずタクシーを利用する人も多いのではないでしょうか。タクシー最大手の台湾大車隊（台湾タクシー）は外国語ができ、公式のガイド資格も持つドライバーを配車する「観光タクシー」サービスを提供しています。

　対応可能な言語は、利用者の多い英語、日本語で、韓国語を話せるドライバーもいます。観光スポットを巡るタクシー利用なら３日前の予約が必要ですが、単に現地点から目的地までの利用なら携帯電話で「55688」とダイヤルするだけで約６分後には配車してくれます。

・運転代行タクシー

　飲酒運転が厳罰化され、夜の飲み会でお酒を飲んだ後にタクシーの運転代行サービスを利用する人が増えてきました。乗車料金は走行距離に応じて計算され、10キロメートル以内は1,000台湾元です。10キロ以上の場合、２キロごとに100元が加算されます。

・引っ越しタクシー

　引っ越しが多く、荷物が少ない方にぴったりなのが「引っ越しタクシー」です。トヨタ「ウィッシュ」（大型７人乗り）の荷台に積める荷物の量（ダンボール約４箱分）まで利用可能で、料金は通常の乗車料金に別途500元がプラスされます。ドライバーが自宅やオフィスなどに来て、荷物を見て同サービスの利用に適しているか判断してくれます。その場で大体の金額を見積もってくれますので、もし高いと思ったらキャンセル可能です。

「マイル」もたまる

　台湾大車隊は13年の夏から、スマートフォンなどの専用アプリでタクシーを呼んだ上で利用するとボーナスポイントがたまり、提携企業約200社のｅクーポンとして利用できるサービスを始めました。１回呼ぶと30ポイントたまり、半年間利用できます。

　ライバル会社の大都会衛星車隊も負けじと、今年の１月から走った分だけ「マイル」が貯まるサービスを始めました。専用アプリで車を呼ぶとまず30ポイントたまり、走行距離５キロごとに10ポイントがプラスされ、１回の乗車で最大100ポイントたまります。まるでマイルをためて特典をゲットできる空の旅みたいですね。皆さまもぜひ一度利用してみてください。

台北市は世界18位

　オンラインホテル予約サイト世界最大手、ホテルズドットコムが世界30カ国・地域の各都市のタクシーを評価した「タクシー乗務サービスの満足度」調査で、台北市は13年に18位となりました。

　同調査は▽タクシーの清潔さ▽運転手の土地勘▽乗車料金▽乗務サービスの質▽運転手の親切さ▽安全性▽タクシーの普及率——の７項目について評価しました。ロンドンが６年連続１位に選ばれ、２位はニューヨーク、３位はアジアで唯一の東京がランクインしました。

　また同調査では、台湾人利用者が最も重視するのは「安全性」（75％）で、次いで「道路の把握度」（48％）という結果となりました。確かに台湾ではスピード違反や飲酒運転による交通事故が多いようです。もっと安全運転を心掛けたら、台北市の世界ランキングも上がる可能性はあります。

　台湾のタクシーは日本に比べて安く、流しの数も多いです。さまざまなサービスも利用できて便利ですよね。皆さまも上手にタクシーを利用して快適な台湾生活をお過ごしください。

ワイズリサーチ