誰も教えない起業失敗の方程式(その5)


コラム 経営 台湾事情 作成日:2006年8月28日

台湾経営マニュアル 起業失敗方程式

誰も教えない起業失敗の方程式(その5)

記事番号:T00000075


●起業と資金の関係

「資金は企業の血液」と言われています。

ですから一般的には「起業時の資本金は多ければ多いほど事業成功の確立は高い」と思われています。

でも、私はあえて逆説を唱えようと思います。

その逆説とは「創業時の資本金は幾ら有っても変わらない」です。

今回は下の事例を参考に、起業と資金の関係について考えてみます。

●あるベンチャーの失敗

川崎氏は3年前に銀行を退職し、二人の友人とインターネットコンテンツを提供する会社を創業した。

当初は川崎氏が内部管理を担当し、残りの二人はそれぞれ営業と技術を担当するという具合に役割を分担しながら経営をおこなう形で始めたのだった。

当時はITバブルの絶頂期と言う事もあり、ベンチャーキャピタルから3千万円の出資を受け、残りの3千万円は3人で出資し、資本金6千万円でスタートした。

ビジネスプラン上では5年後には売上は30億円になり、店頭公開するという計画であった…

3人は昼夜を問わず働き、夜は事務所で缶ビールを空けながら将来を熱く語り合ったものだった。

1年後、まだビジネスは本格的に立ち上がってはいなかったが、共同経営者の一人が「実家の後を継がなくてはならない」と離脱した。

2年が経ち、もう一人の共同経営者も「いつまでも夢を食っては生きていけない」と離脱し、創業メンバーは川崎氏一人が残った。

3年後、この1年間川崎氏は給料を半額にし、ビジネスを成長軌道に乗せようと四苦八苦していたが、ついに資金が底をついてしまった。

そして川崎氏もこのビジネスから手を引く事を決断した…

●資金が底をついてからが本番

はじめから計画通りゆく起業は稀ですし、上手く行き過ぎる起業は大きくなりにくい傾向にあります。

多くの起業では資金を使い果たしてからが、本当の勝負です。

つまり、上の事例では「3年掛かって、やっと起業家のスタートラインに立てた」のです。

考えても見て下さい。

資金も、人材も、ネットワークや信用も有る大企業が新規事業を初めてもなかなか上手くゆかないのに、個人が多少の資金が有ったところで、そう簡単にビジネスを軌道に乗せられる訳がありません。

この時期に、死にものぐるいで考えるから大企業が思いつかなかったブレイクスルーの糸口が見つかり始めるのです。

残念ながら多くの起業家はこの「スタートラインに立った時点」でギブアップしてしまう勿体ない事をしているのです。

ですから、もし私が3年目の川崎氏に廃業の相談を受けたなら「おめでとうございます。準備運動は終わりました。やっとスタートラインに立ちましたね。」と逆にエールを送るでしょう。
 
ワイズコンサルティング 吉本康志

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