ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム 会社概要 採用情報 お問い合わせ

コンサルティング リサーチ セミナー 在台日本人にPR 経済ニュース 労務顧問会員

誰も教えない起業失敗の方程式(その6)


コラム 経営 台湾事情 作成日:2006年8月28日

台湾経営マニュアル 起業失敗方程式

誰も教えない起業失敗の方程式(その6)

記事番号:T00000076


● 企業経営と風水

経営者にはツキや運勢を大事にする人が多く、中でも風水を信じる方は多くいらっしゃいます。

風水占いに高い費用を払っている経営者もいらっしゃいますが、その効果のほどは?

● 事例:風水に頼る経営者

創業5年になる楊氏の悩みは会社の業績であった。

創業からここまで、毎年成長を遂げて来たが、今年に入って業界構造の急激な変化により売上が大幅に減少しているのである。

加えて先月は大口顧客の倒産により500万元が不渡りとなるなど、急に風向きが変わったのだった。

楊氏は悩んだ挙げ句、友達の経営者に「よく当る」と評判の風水師を紹介してもらった。

風水師曰く、楊氏のオフィスは風水的に大きな問題が有るとのことであった。

楊氏「なるほど、気の流れを良くするには、大掛かりな改装が必要なのですね」

風水師「多少高価ですが、この壷を買ってここに飾れば問題は解決します。」

楊氏「わかりました。改装に比べれば安いものです…」

壷を購入し指定の場所に飾ったが、業績は一向に良くならず、再度風水師に相談した。

風水師「長年気の流れが悪かったので、壷だけでは効果が薄かったのでしょう。この掛軸も一緒に飾れば必ず効果があります。」

楊氏「…」

● 解説

事例はちょっと怪しげな風水師のお話しでしたが、風水に頼る経営者が多いのは事実です。

長安や京都は風水に基づき設計された都ですが、両方とも現在は首都として発展してはいません。

また、風水が本当に効果の有るものでしたら、風水の本場である中国がなぜ経済発展で風水を知らない欧米に遅れをとったのでしょう?

弊社でも過去私の不在の間に、会社の為にと風水を信じる社員が勝手に有名な風水師に見てもらった事があり、結果は以下の通りでした。

1. 社長室のある場所が悪い
2. 社長室の机の高さが高過ぎる

風水師の提案では社長室を会社に入ってすぐの会議室の場所に移せば良くなるそうです。

机の高さもあと10cmほど落とせば良いとの事ですが、私は二つとも従いませんでした。

お客様が入って来ていきなり社長室ではお客様もビックリするでしょうし、社員達の変化も見えません。

机の高さを10cm落とせば仕事が非常にやりにくくなります。

何より、科学的に経営を良くするお手伝いをしておきながら、自分達が非科学的な風水に頼っているようではお客様からお金を頂ける道理がありません。

風水師の提案に耳を貸さず、私は敢えて風水に挑戦しています。

例えば私の居る社長室は風水で言う「鬼門」に位置しますが、弊社は創業以来年平均30%以上の成長が続いています。

もし、風水師のいう通りにして経営が上手くいくのなら、私も経営コンサルタントとして「この壷を買えば…」と売り歩くでしょう。
 
ワイズコンサルティング 吉本康志

台湾経営マニュアル起業失敗方程式

情報セキュリティ資格を取得しています

台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。